百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

2016/11/27 オラ歌ってない

「誰もいなくて、さみしくてさみしくて」と竹ワラ講座の次の日、ルミちゃんはが言った。
はっとした、俺は遅れた農作業をどの様にこなせるかに頭が一杯、祭りの余韻も味会えないほど感性が鈍っていることが悲しい、
以前は「祭りの後のさみしさは、死んだ女にくれてやろう~」と拓郎の歌を必ず口ずさんでいたのに、情けない。
 霜が降りる前に積雪と氷点下の到来、とんでもない冬の幕開けだ。地球の温度は過去最高を観測し、北極の海氷も記録的に溶け、蓄積された低温パワーをシベリアに吐き出し、シベリア寒気団が大きくなりヤポネシア(日本列島)に垂れ下がってきた。
これから春までどんなドラマがあるのだろう、油断できないね。
あわててさつま芋と生姜を掘ったが、ピーマンや万願寺、もやられ、ハウス内のパプリカのダメージは大きい、
葉物たちもそれなりに、高値続きの野菜が回復し値下がりし始めた時にこれでは、たぶん年内高値は続くだろう。便乗値上げはしないから安心して。
「貧乏でも買える有機野菜の普及」を目指すから、たぶん死ぬまで目指す。
 数日前ベトナムの議会が原発建設の予定を却下した、予算が足りないそうだ、すでに受注していたのは日本とロシア、凄く良いニュースである、
インドとトルコ?で進めている原発輸出もダメにならないかな、毎日祈ろう。 
なんだかNHK内の流れが変わってきたみたい、大本営発表的存在は嫌に決まっている
あとは朝日新聞だ。

2016/11/18 明日は祭り 畑で祭り

やばい、明日朝の雨が早くなったという気象通報、コッコ用の米が濡れる。
虫が湧いたのでとの米をもらい、天日にあて、虫だしの取り込みを忘れていたのだ。
 明日から2日間「竹、ワラ細工の講習会」がある、今日一日最低電の準備をした、友らも手伝いに来てくれた、
あと少し準備を済ませ、速く寝るのみ、できれば録画のTVでも少しは観たいと思っていたが、濡れている米を思いながら祭りを始めたくない。
取り込みに行き、帰りがけ人を送っていたのでできなかった糠とりもでき、ちょっとすっきり、あとは朝4時に気持ちよく起きられたら、気持ちよく祭りが始まる。  
ワラ細工のあまよかしむは数日前、夜道で歩行中当て逃げされた。腕とミラーが当たったらしい、
凄い音がしたのに、
車は走り抜け、うずくまる姿にも後ろから来る来る車たちが誰も止まらず、うす情けを痛感したそうだ。
ちゃんとチカチカライトを照らし歩行帯なども遵守していたのにと気持ちは収まらないみたい。
ムーミン村の住民みたいな彼女が繊細にルールを守っているのが意外だった。
ともかく進めた「里芋パスター」がけっこう効いたらしく、腕は大丈夫とのこと。色々あります、
オラも先日、圭太から頼まれたポンプに空いた穴なの溶接を頼まれ、頑張っていたら目が焼けた。
「雪目」だ、快晴のスキー場で目を焼いた症状と一緒、ヤバい、講習会まで引きずりたくないと切望した。
目の奥はまだ思いが涙は止まった。なんとか日々を越せるのがとてもありがたい。

2016/11/13 ユーザー車検 数万浮くよ 簡単

明日は大雨だというので軽トラの車検予約を入れ、翌日雨の中、泥をざっと落とし、基本的な所を確認し検査場に向かった。
バックライトが切れていた、これは何回か見落としている、あと車軸のカバーが破れていたので検査場の前にある修理工場で直してもらう
大ごとではない限りここで大抵すぐに何とかなる。
再び検査場ラインに入ると70才くらいのガイドさんが細かく指示をくれる。「はい、もうすぐ検査員が来ますので待っていてくださいね」、「もう少しサイドブレーキを強く引いてくださいね、ほーら合格しましたよ」などととても丁寧、素人のユーザー車検が急増しているのだろう、毎回優しさ度がアップするのは感じていたが、手取り足取りのガイド爺さんは初めてだ。
ユーザーの言葉もないはるか前からもう30年以上車検こなしている身にとってはかなり厚かましく感じるが、良いことだと思って「はい、ありがとうです」を繰り返した。
書類の書き方が厄介なら二千円位で代書がありますし、検査の実際もいつでも見学できます。
近くの検査場のホームぺージで予約し、検査場で申請書を買い、重量税の印紙(軽では8千円)を貼ってもらい、記入し(用紙によってボールペンと鉛筆書きがあるので確認、千四百円)、ラインに並べばOK。納税証明とハンコと次の車検までの自賠責を持参すればいい
今回「定期検査を受けてきたか」と初めて聞かれる、「はい」というと書類」もないのにスルー。
車の説明書についてる検査用紙を真似し書けば何も言われない。

2016/11/05 小春日和

 今日は小春日和、ここ1週間冷え込んだのでプレゼントをいただいたような一日
秋カボチャや長ネギなどの収穫を終えた畑のマルチを片づけ、草などを燃やし、コヌカ(糠の事、アラヌカはもみ殻)をたっぷり播き丁寧に耕す。
この所、糠集めには時間をさいている、おかげでたっぷり散布できるのが嬉しい、残渣も早く分解し菌たちも増えるだろう。 
まだまだコヌカは数百kgあるのでアラヌカと混ぜて堆肥を作ろうと考えている、そう手間もかからず良質の堆肥が作れると「現代農業」に多くの事例が掲載されていた。
昨年まではアラヌカは全量、炭にしていた、「燻炭」である。これにもけっこう手間がかかる
今年はまだ1回も焼いていない、ちょっと焦っていたところだった。米の副産物の糠ともみ殻で良質なたい肥が出来るなら、循環農法にかなり近づくじゃん
日本各地で様々な試みが続けられている、けっこう早く有機農法の技術は確率されるのではないかと希望が心に湧く
そんな気持ちになれるのも今日の小春日和のおかげかな。 
日が沈んだ後には西の空に三ヶ月が浮かび、その左右に火星と金星が輝いている、「おっ、来た来た」
秋空にしかしっかり見えないこの光景を待ち望んでいた。
明日の夕方はどのように見えるだろう、きっともっと寄り添っていると思う、そんな事だけで心は躍る。
 明日は冬出しの春菊の定植かな、空豆の苗作りも急ぎ、3月大根の種まきやりたいし、その他の作業も色々、そして玉ねぎの定植という大仕事も、忙しい季節です。 

2016/10/31 時と人生、ボンボン時計

もう、かれこれ30年以上、ボンボン時計のネジを播き続けている。
以前使っていたのはセイコウシャ製で1回巻いたらひと月ほど動いていたが、後で頂いたメイジ製の時計が「ボーン、ボーン」の音がいいので変えたが、半月くらいで止まってしまう。
それでも苦と思ったことはない。目覚めの朝、「4つだ、5つだ」と床にて起きる時を計る優しい響き、壊れないし、非常に正確、一生の大切な友である。 
しかし最近「えっ、もう止まったの」と驚くことが多い
お時計さんは変わりなし、オラの時間感覚が狂いだしたのだ。
明日から11月、たぶん今年の休日は正月3ヶ日だけという狂気の年になりそうだ。
冠婚葬祭や野暮用の他にしっかりした休日をここ数年でとった日は何日あるのだろう。馬鹿げている、
何とかしなくてはと一生懸命考え続けているが、家族を支えるのが目いっぱい、貯えができない。
小さくても余裕をもって、「有機農業は楽しいよ
」と言えるようにならなければ、みんなに自信をもって勧められないではない、情けないと日々思う。でも日々悔いの無いように精一杯生きてこれたことはありがたい
何より家族がみんな何とか元気で暮らしているのはありがたい、農園のスタッフのサエさん、ルミちゃんもとても気持ちよく働いてくれる、身体はきついが精神的は極楽の日々ではないのかとも考え得る。 マッサージの仕事についた貝人に身体をほぐしてもらった、けっこう凄い技を使う、びっくりした。翌日は朝の腰痛がなかった、たいしたもんだ。

2016/10/21 次は羊か牛、それより果物かな

今は7匹のヤギがいる。夏はどんどん伸びる草を食べさせればよかったが、秋になり近くの草場が減ってきた。
あまり遠いと朝晩の仕事が大変になる.そこで近所の草だらけの畑に目を付けた「あそこの畑の草を食べさせて、地主には言っておくから」とヤギの世話をしているルミちゃんに言ったまま数日が過ぎてしまった。昨日その地主さんがトラックを止めヤギを見ていた。遠くで作業していたので声をかけられなかった、「ヤバい」、こうゆうことはスジが大事、穏やかな人だが虫の居所が悪かったら大事になる。
挨拶に行ったら「助かるよきれいに食わせて」とのこと、大安堵。
でも大きなステップかもしれない、今まではうちの畑か土手などの草を食わせていたが、他人の畑は初めてだ。
周りには何もつくらず、定期的にただ耕して畑のかっこうをしている所が多い。
今度は羊を飼おうかな、まだマトンとして定期的に現金に換えられるよね、羊毛も売れるんでは、牛もいいな、子牛の価格が急騰している
今まで50万円位だったのに80万円になり肉牛を育てる農家は悲鳴を上げている。
収入を確保している農家も高齢化で辞め続けている。
政府は農産物のの輸出や六次化など大声で叫び続けているが、農林漁業や自然を大切にする社会を目指そうとはしていないのは明らかにわかる。
その根底が変わらなければこの島の砂漠化は続く。数千年前に滅びた都の遺産と同じ道をたどっている。
引き返すのは今、頑張れ緑の党。あれ、俺も役員なのに忙しくって何もやれない?

2016/10/15 もったいない根性の奇跡

テルモスに乳酸菌が住み着いた。毎日500mlの水筒にコーヒーを入れて畑に向かう。
ちょびちょび飲んで帰宅時の車の中でなま暖かい最後のコーヒーを飲みながら帰るのが至高の時間だ。
真夏はストレートだが大体はほんの少し牛乳を入れる。
この所昼ごろには酸っぱくなってくる。良く洗ってもダメだ、熱湯消毒をすれば収まるがまた少したつと酸っぱくなる。
なんか身の回りの乳酸菌が異常に元気になっているのかな?
急ぎ仕事を何とかこなせたので、今日は念願の田んぼの秋起こし。少しでも暖かいうちに田んぼを耕運しワラなどの腐熟を即したい、できればその前に糠などを軽く播き、菌たちを取り込みたいたころだが手間が間に合わず、何より糠が足りない。
周辺の無人精米所に回収に行くのだが、農家や市民農園の人たちもけっこう必死に取りに来る。
どの時間に行ったらいいのか、手間暇やガソリン代との計算をしながら、毎日糠を集めている。
定期的に購入した方が作業効率が上がるかもしれないとも思うが、染み込んだ貧乏根性は抜けない。
どんなことしてもあるものは使い続けたいとの気持ちは、ほとんど心の憶測に鎮座しゆるぎない物になっているように思う。
こんなことがあった。昨日頼まれた黒米を超古いハーベスタ脱穀していた時、突然のエンジンストップ、ラジエターの水が吹き出しオーバーヒート、オイルもから、完全にピストンが熱変形しお釈迦の典型、でも一回オイルを入れてあがいたら、動いた。
冷静に諦めなかった俺に拍手