百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

2018 5/04  こんな時こそ 頭寒足熱

首筋に焼けつくような熱さを感じる。育苗中の鉢苗はあっという間に干からびる。
今朝も稲の箱苗の一部が干からびていたので慌てて水やりをした、頼む生きかえってね。たぶん何とかなるが、減収は免れないだろう。
そんな暑さとの戦いから家に帰ってくつろぐと、なんか寒い。
家の中は20℃以上あるのに体感温度が狂わされている、すぐにストーブ内で豆炭に火をつけコタツを温める
「頭寒足熱」冬でも夏でも心がけるありがたい人類の知恵。

いよいよ田植えが始まる。毎日トラクターで代をかいたり、田植え機の作業、ポケットの中の携帯電話はまるで聞こえないので、ベルト下の肌に付けて挟み込むと振動で必ず解る。
でも大体股間に落ちていてそこで震えている、田植え時に「ちんこバイブレーター」とはなんとも情けない。
だって田植えは超聖なる儀式、男は田をしつらえる事に専念し、女衆が「早乙女」として稲を植える。
田植え前の節句の日に、菖蒲を家の周りに吊るし、女たちは家に籠り、邪を払い、禊をするのが端午の節句の始まり、
「サ」は田植えのこと、5月は田植えの月「皐月」、「サオトメ」にふるまわれる御馳走は「さなぶり」、山の神を田に降臨していただき、オタマジャクシがあふれ、ドジョウやザリガニが這い出て、鳥やヘビ・カメたちも食べに集まり様々な虫やトンボなどが群れ集い、産卵場所を求めてフナや鯉も水路を登り田に入ってくる。
田んぼは生命に満ち溢れる。この2千年の日本列島の自然の生態系は田んぼが大きく影響している。
しかし今の化成肥料と農薬の稲作は命を消し続けている。変えよう。