百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

2018 10/07   曲がったネギは立ち上がった

綺麗な、まっ赤に唐辛子を干し切れたことがない。内側や下の方、つまり早く実のなった順に赤く熟れていく。全部が赤くなってから、株ごと切って干していたが、すでにその時は熟した赤みが陽を浴び過ぎ色あせていた。
きれいな唐辛子を取りたいなと思っていた。今年は冒険に出た。
週一くらいに見回り、熟した枝、枯れそうな枝をこまめに切っては干している。
唐辛子などなんぼにもならん、手間をかけたらおしまいや、なんぼでも大きな仕事がある、片手間で片づける仕事だと思い込んでいたが、毎年上手くいかない、悔しい。
悔しいことは百姓の日々の習い、先週の台風は凄く気をつけて予報を刻々と調べていたが、直前にはさほどの強風はないとの予報に気が抜け、何も心配はいらぬ、酒をかっくらって寝て、風で窓がガタガタ結うのも大したことないと朝仕事をしていたら、早番のユウからの定時連絡の後、「アッチさん、知ってますか今の現状を」と切り出された時、大した被害もあるはずがないと思いながら聞いていた。
「1号ハウスは上のビニールがないにもなく、他の2か所も前の方がめくれ、モロヘイヤはほとんどちじれて収穫できない」とのこと、破れたビニールは倍の15年も長持ちしたので変えようと思っていたので仕方がないが、先日までピカピカのナスが傷だらけ、ネギは曲がってはいつくばっていた
他の百姓たちも甚大な被害を口々に嘆いていた。日本中であろう。
こうゆう時はしばらく気が抜ける。唐辛子を軒下に吊るしながら、ひとつひとつやれることを日々と繰り返す。