百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

 帰 農 人 2019 7/27  市民が世界を見据えて、街人同志で助け合う世界

くるこ(長女のくるみ)が読んだ本を回してくれた。
ブレイディみかこ著「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」という出版されたばかりの本だ
英国在住のみかこさんが中学生の息子の日々を軸に学校や町の様子を綴ったもので、現在の英国の様子が良く書かれていて面白い。
街の中に社会的格差がはっきり出ていて、公立の進学校区域は家賃が値上がりし、底辺校に貧困層が集まりドツボにはまる。息子は家の近所にある、その元底辺校に入る。
現在は校長や先生たちが貧困や移民問題ソーシャルワーカー的存在になり親身に親子共に付き合い、かなり面白い学校になってきたところである。
アイルランドと日本の親を持つ息子は日々の中で差別される友人知人たちの中で心を揺さぶられながら育っていく姿が嬉しい。
スウェーデンの少女が学校を休んでは国会前で温暖化阻止を掲げての座り込みは今や世界的な広がりを見せて、凄いなと拍手を送っていたが、英国では理由のない休みには高い罰金が与えられる、貧困層学校ではデモに参加することもできない。
エリート校や私学は緑の党支持の先生も多く、デモの時間に合わせ休校にしてしまうが、一人の子も見捨てようとはしないこの学校ではそんな余裕はなく、ニュースでかっこよく映し出されるエリート校の映像を見ながら屈折し、「俺たちもデモに行きたかった、でもプアでガラの悪いガキだから、デモに行くのを禁止された、あれはリッチ、グッドキッズの運動、俺たちだってこの星の為に騒ぎたかった~」と音楽部のバンド仲間でラップ曲を作り、ちょっと上流過ぎる緑の運動をなじった。
なんか俺の心にも刺さった。
「えらそうなこと言ってんじゃねぇーよ」と言われた気がする。
格差や戦争、移民問題の渦中の多くの人は、温暖化や自然の仲間たちの命などに向ける感心の余裕などないのが当たり前だよね。
「誰かの靴を履いてみる」という表現が英国にはあり、人の立場になり考える事を授業でみっちり仕込まれる。
誠に羨ましい限りだ、文科省よ消えろ。