百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰 農 人 2019 12/20 一筆啓上火の用心 人を泣かすな 畑肥やせ 

帰 農 人 20112/20          
一筆啓上火の用心 人を泣かすな 畑肥やせ
 
昨年のクリスマスの真夜中、鶏小屋の火事があった、育苗のダンボールハウスを鶏小屋の中に入れ、外気にならしていた頃で、ダンボールの中に溜まった鶏糞が熱を持ち自然発火しダンボールから小屋に燃えうった。まだ幼児のような雛たちはドアの前に固まり難を逃れたが、今は毎日の様に卵を産む立派な成鶏、もうすぐ峠を迎える。
そろそろ産卵率が減るので次の雛を考えねば。 先日鶏糞出しをしていて、コッコを外に放した、夜には小屋内の止り木に戻ると思っていたら、ずうっと一匹で外に暮らしていた爺さんコッコのがいつも停まる水洗い場の上に2羽の姉ちゃんが寄り添っていた、初めて外に放った姉ちゃん達に爺コッコは数年ぶりに乗っかっていた。糀用の米を蒸かす夕闇が濃くなった頃、鳥目で闇の中では動けない姉ちゃん達を小屋の中に放り込んだ。小屋の中の成人オンコッコは何度も張裂けんばかりのきれいな「コケコッコー」を繰り返す、いつもなら負けない時の声を上げる爺コッコは最初は無視し、その後「クッオーン」と細く弱い泣き声を繰り返した。「あの娘たちを持って行かれたよー、でも良い時を過ごした」と嘆きと感謝が入り混じったような鳴き声を、薪をくべながら半時も聞いていた。

 「もう父さんは7年も植物状態」と従弟の嫁から聞いた。実家のそばの魚屋の娘で同級生のサチである。知り合いのシタール弾きの公朗の妻のミサトさんは倒れて1年、毎日一時間ほどは面会に行き体を解しているとのこと、15日はミサトの七〇の誕生日やから、家につれてきて、三時間ほど介護をしたとと聞く、面倒を見る公朗もミサトさんも天使だ。この正月二日は2人に会いに行くことにした。病院にいる麻実に植物状態の実態を聞いた、数日後レポートが届いた。長い人で一〇年位、経費は月8万、北欧三か国では栄養中断も可能ということらしい。
さてどうもがく?