百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰 農 人 2020  10/27 祈って精進 それしかないか

帰 農 人 2020  10/27
   祈って精進 それしかないか

 雲一つないあっぱれな秋空は久しぶり、木々も街も美しい、そんな日曜日久々に店の2階で公朗のシタールの演奏を聞いた。
インドの山奥で5年始業し、その後35年演奏し続けたシタールの音は一音一音に心がこもり大地天と交響し合う。
インド音楽の奥深さは凄いんや、やればやるほど楽しい」と語る公朗だが「心がまったく日本晴れになることはない、半分は常に沈んでいる」と寝たきりの妻、美郷さんを思うという。
面会もできない毎日、数々の奇跡を見せてくれた「養生のラーガ」を施設の病室に向けて演奏を続ける。同じ時刻に知り合いのヨガ教室をしている女性もマントラ(お経)を百八回唱えてくれているようだ。彼女は癌の手術の前日にこのマントラを唱えてたら完全に癌が消えた奇跡を体験した。公朗の演奏を聴いて様々な病気が改善した人が多くいる、でも「自分の腰痛には全くきかん」そうだ。 
美郷さんが元気なころ、幾つものお寺に連絡を取りコンサート依頼した。
住職の顔写真をよく眺め、この人は良いと思うと大体あたるそうだ。薄く残った長髪も真っ白な六七才、苦難と貧乏の中毎日祈りの生活を続けている。贅沢もいう
「東京での演奏会はありがたいけど、半分気が引ける」とのこと。ともあれ祈り続ける聖者の演奏を聞けた事はありがたかった。

今年は春に水稲の育苗を失敗して田植えが遅れ、稲刈りも遅れた。
先日最後の稲刈りをした黒米が昨日ようやく干し上がり、脱穀をした今日籾摺りをすれば明日からは出荷できる、共に遅れた玄米餅も今日から出荷できる、共に皆から待ち焦がれていたものだ。
味噌はもう一月位かな、またかき回してみよう。
後はこの秋大失敗しほぼ一ヶ月分のカブ大根や葉物大河虫たち食われて毎日数少ない野菜たちを情けなく出荷する情けない日々が続いている。こんなことは初めてだ。次の野菜たちの成長を祈るように毎日眺めている。そんな中で来年の野菜たちの種を播き続けすこしでも実りのあるように心を叱咤し、夜の酒量は多くなる、中々酔えないね。