百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰 農 人 2021  10/17 むしのこえもかすか あきの後半

帰 農 人 2021  10/17

    むしのこえもかすか あきの後半

 昨日の自分が映ったアド街は見るのが怖かった。監督があまりにも農業を知らず、まして有機などは治外法権、環境問題もダメ、「流山はどんどん開発され豊かな暮らしができていいですね」などぬけぬけという。「開発などいらない、どんどん人がバカになり、小さな命の絶滅が日々進行するわけだ」などの言葉などには耳も貸さない、何か聞かれてしゃべっていても、心は不機嫌であり、当然顔もゆがむ、言葉もゆがむ、どんな放送になるのか心配だった。でも観てひと安心、有機仲間からの電話で、「特別な野菜は求めない、というのが心に響いた」とのこと、これでふた安心。
 朝、直売所に行くと「電話なりっ放しじゃないの、店も大変でしょ」「いやいや今まで何度もテレビの出演はありましたが、客が押し寄せた事はないですよ」といっても信じてくれず、残り野菜を取りに行った時も「今日は大変だったでしょう」という。
まだマサが帰らず様子はわからないが、朝、マサと話し「前の30分のドキュメントの時でも、ヒグドンが店先は大変だろうと遠くに車を止め来てみたが、客は少なく何時もの通り」。
ともかくわが家の御祭神は「貧乏神」である。
社会に出て以来40数年この神との付き合いは続く。「昔に一度、新聞にのったときはすごい反響で電話が続き、お客さんができたじゃない」とマサが言ったのは八百屋を初めて1年位した時の話しで、あれは貧乏神の策略、しっかりとその世界に引っ張り込んだのである。
その時に使われた写真が番組に出ていた。俺が20代前半の写真である。
流山育ちで中学で一年後輩のサンプラザ中野君が番組に出ていて、リヤカーで有機野菜を売り歩く変な先輩の事を知っていたという。よっては来ないけどみんなそれなりに見ているのだなぁと改めて思った。
 今日は冷たい雨が降っていた、どこの直売所も野菜の多くが売れ残り、雨ガッパも耐水製が弱り、昼には着替えねばならなかった、明日はカッパを新調しよう、明日からをできるだけ良き日にせねばならん、ありがとう。