百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰 農 人 2022  3/06 なぜか俺の周りには不幸が多い

帰 農 人 2022  3/06
   なぜか俺の周りには不幸が多い

 「野菜のお届け先が火事で、、、」と、いつも行くクロネコのねーさんから電話があった。すぐに店長のあらジュンに電話したら「落ち着いたら電話します」とのこと、野菜は戻してもらった。ネットにはいつものニュースの映像が乗っている。「農民カフェ」は下北沢駅のそばの2階建ての古民家を改造してオーガニックレストランを営業している。都心の午後3時出火だけに多くの映像がある。木造の建物は勢いよく燃え上がっている。幸いスタッフ3名が軽いけがで済んだそうだ、出火原因はまだわからない、再開の予定は家主さんの意向がどうなるか?と言っていたんで、同じ場所で再開する意向かな?。  この店との付き合いは20年以上になる。以前は農園が面倒を見て流山で米を作っていて、見た目がいかつい連中がぞろぞろと田植えや稲刈りに来ていた。
 そんないかつい連中にはボスがいる。シンガー和気優(わきゆう)。原宿で竹の子族全盛の頃、「ジャックナイフ」というバンドで有名になった。簿のメンバーたちばいくつかの店の店長になった。和気は本物のやくざの息子で親父は覚せい剤関係で捕まった。面会に行っても向こうを向いたまま会話がなかったそうだ。少年時代は当然荒れ狂う、でも今は毎年全国の少年院をバイクで回り、ギター一本で歌いまくる。今は大分の臼杵で農民カフェをやっている。新潟や千葉にも系列店を出し、田んぼで黒米も作っているとそうだ、足りなくなると分けてくれと連絡が入る。なんともヘンテコな気合が入った店である。でも燃えた。ここはボスの出番であろう、ともかく見守ろう。

 昨年は米の苗作りに失敗し、ほとんどまともに作れなかった、初めての大失敗。今、田んぼの準備にかかったが、とても楽しい。後悔し続けた1年が終わり改めてはじめられたからである。今堆肥をを田んぼに撒き、荒起こしなどしている、数日後には種もみの湯温消毒から苗作りが始まる。6割方の田んぼは来年は開発が始まり今年が最後だ。昭和の初め100年前にほとんど人力で整備された新川耕地半分以上が流通倉庫になる。多くの思いが詰まった田んぼ最後を丁寧に、営農し亡き先輩たちに首をたれお別れしたい。そして先に進もう。