百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰農人    2022  5/15 がまん がまん でも日はまた昇る

帰農人    2022  5/15
    がまん がまん でも日はまた昇る

 やっと昨日から田植えを始められた、9割5分が4月中に終わっていて、広く田んぼをやっている数名だけが人気のない寂しい田んぼでもくもくと作業している。 今年は「2回代かき」を初めて試している。1回シロをかき、田植え状態にして雑草の生えるのを待ち、またシロをかき大部分の草を埋め込む方法だ。田植え1週間後の除草が大事といわれているので様子を見ていたら1週間しても草が出てこない、調べてみると温度にもよるが最低でも10日以上待てとのこと、苗もだいぶ大きくなりすぎて早く植えたいが、草が出んことには話にならん。いつもなら少しでも深水にして「生えてくるなよ」と願うのだが今回は真逆の祈りである。またいろいろな人から「田植え終わった?」と声がかかるのがわずらわしい。もっと早くに代かきをすればよかったのだが、それは来年から、昨年の苗の大失敗に比べれば、こんな我慢は「へ」だと、我慢した。また明日2日目の田植えを再開する。

 数年ぶりにヒヨコが来た、といってもかわいいうちは店で育てる。ダンボールを連結し、もみ殻をまき、温度調節ができないので保温のための60ワットの電球をつるし、飛び上がれるような枝を設置したりした水槽のようなヒヨコのおうちは店にある。もう来て5日になるが見に行けない、超かわいいとの報告があるが仕方がない。東金にある孵化場に取りに行くのはなかなか時間が割けない。子供たちが行ってくれたのだ、ありがたい。そして今日は昼に家に帰ってきたら3男桃太が鶏小屋の大変な掃除をもくもくとやっていた。休みなく身の回りの片付けもできない状況を見てマサが子供たちに手伝いを要請してくれるのである。みっともないがありがたい。

 今日初めて「アオサギ」の鳴き声を聞いた、「ゲコ―グー」と鳴きながら江戸川のほうに飛んでいった。そういえば、数多くいるツンと澄ましたシロサギたちの鳴き声も知らない、容姿は澄ましてきれいだがだみ声とは驚いた、というより鳥たちも美しくさえずるばかりではないということを知ったことがとても嬉しかった、人間世界の混迷の深さをそこに感じた、みな苦労している。