百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰農人      2022  4/16タッシリナジェール 昔サハラ砂漠は草原だった

帰農人      2022  4/16
   タッシリナジェール 
       昔サハラ砂漠は草原だった
 昨日から雨が降り温度が下がってほっとした。25度以上の夏日が続き、芽を出したばかりの稲の苗はひょろひょろと背を伸ばす、待ってくれ、がっちりした苗に育ってほしいと夜もハウスを開け放しても日々成長は止まらない。今どきの早植えの枝豆やナス、ピーマンなどはビニールトンネルで保温しなければいけないが、かえって暑すぎて焼けそうで、なしでも行けるかなと、百姓28年目で初めて考えている。毎日2週間先までの天気予報を何度も見直しながら考えている。トンネルの設置作業を省ければ仕事がかなり楽になる、日本中の百姓たちの多くも悩んでいるんだろうな。

 自宅から歩いて10分ほどの所に東大の柏の葉キャンパスがある。様々な分野の大学院クラスや研究施設があり、様々な国の留学生があふれている。オーガニックのうちの直売所にも結構買いに来てくれているようだ。パクチーをいつも買いに来るフィリピン女性や日本の古い焼き物を研究しているインドの男とは何度か話をした。先日スタッフの木野ちゃんの紹介で、都市環境学を研究しているアメリカ30歳の男が訪ねてきた。日本語はペラペラ、いくつもの農家にも滞在し、草刈りをやらせても見事な腕前である。東北の震災の時は流山も甚大な放射能被爆の害に会ったと話すと、細かい数値の話まで完全に理解している。最近国会で決議された「緑の戦略法案」の内容も仲間たちと分析し「やはり企業優先であまり進歩してないようです」と、日本のだらしなさも的確に研究している。話せたのは軽トラの中と、飯時の数十分であったが、良き出会いであった、また話に来るという。楽しみ。

 インドネシアで3万年前の洞窟壁画が発見されたそうだ。イノシシや手の絵があり、何かを物語っている絵では最古のものだそうだ。線画や模様、などは6万年前まで発見されているが、文字はないが言葉が発達し、古代文明は湧き上がるまでの数万年の人類の歴史想像するのは誠にワクワクする、それに比べ日々世界の過酷で無残な様子を知ることができる。なぜこうも人類は過去に学べないんだとつくづく思う。幸せとは何か、けっして難しいことではない。