百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

 帰農人    2022  8/21       そして 誰も いなくなった

  帰農人    2022  8/21  
    そして 誰も いなくなった

 都心真っ只中の人形町から30半ばの青年が、先週5日間研修に通ってきた。初日の昼飯あと、食器を洗う時、洗剤の場所を聞かれた、「流しの横に石鹸があるよ、でも、そのくらいの汚れなら、お湯で流せばOKだよ」と答えた。駅に送る車の中で、「僕は変な潔癖症なんです、ゴキブリやネズミが出る家で、まして洗剤もよく使ってない家で食事はできません、明日から外で外食させてください」と次の日から近くのコンビニに食べに行き、みんなが食べている時に帰ってきて会話に参加した。暑い中での作業をこなし、一日は熱中症での熱が出て休んだが、できれば流山に引っ越して、家庭菜園をやりたいと帰っていった。 彼もまた不妊治療を続けている。彼の精子の管が細くて手術したそうだ、少しでも都心から離れた場所で家族生活をさせてやりたいね。 今週来週の週末に世田谷から通ってきているヤマダ電機の37才の男性は虫が好きで、昼飯時にハエ叩きをしていると、「ハエや蜘蛛なんかがいますとほっとします、御殿場のばあちゃんの家でも虫だらけでした、醸造所なんです」と言ってくれてほっとした。金が支配する世界から抜け出そうと真面目に模索している。彼は中二の時に親父が亡くなり母はベビーシッターをしながら3人の子育てたという。また今は姉と3人暮らしをしているが、自分がどこかで農的暮らしをし始めたら母も来るだろう、そして結婚もしたい。ヤマダ電機の中では無理だとのこと、これも夢をかなえさせてやりたい。今にも開発の大波に潰されそうな農園でもそれなりの役割はあるね。

 今朝鶏小屋にエサやりに行くと、最後に残った3羽も消えていた。小屋の土際に新たな穴が作られイタチにやられた。やられるたびに修繕し何とかなると思っていたが、小屋は30年前に廃材で作ったもので、土と接触する部分はかなり弱ってきている、修繕で猫は防げるが、木材をかみ続け穴を開けるイタチ、5㎝ほどの穴を開けるのに全力を使う。タヌキ、ネコ、ヘビ等とにやられてきたがイタチの襲来は初めてで、あいつら細くてきれいな茶色いきれいな毛並み、畑ではよく見てきた。  今日は重かったな。