帰農人 2024 10/06
貧乏神とのありがたい日々
生ビールサーバ―のコンセントを抜いた、もう冷たいビールはいらない。ドブロクのお湯割りがとてもおいしい、キューリもそろそろ終わり、5か月間毎日収穫してたので、ちょっと寂しい。オクラも成長がだいぶ遅くなってきた、気温には正直だ、でもまだ以前よりだいぶ暖かい、9月の終わりころには防虫ネットがいらなくなるのに、今年はまだまだ虫たちが元気だ。この時期にヘビを見るのはまれだが、ヒガンバナの咲く農道を横切っていた、危うく踏むとこだった。
どの野菜も非常に高値で販売されている。3割増しってとこかな。それでいいと思う、種や資材も3割は値上がりしてびっくり、燃料や電気も高いし、最低賃金もまた上がった。いつも農業新聞の市場価格を見ながら、いくらにしようかなと悩む、「それじゃ高くて買えねーよ」と耳元でいつもささやくやつがいる、我が家の御祭神「貧乏神様」じゃ。この神様が宿り始めたのは中学生のころからだ、カネを無駄に使ってはいけない、有効利用しなければと、中3の修学旅行でみんなが新品のバックなどを買うのをもったいないと思い、古いジーンズの股の部分を切り取り縫い直しバックに仕立てたあたりから、貧乏神は入り込んでいた。京都行の新幹線の中でほつれたところを縫い直していたのを思い出す。
ともかく今はある程度の値上げはしなければならんだろう、ここ3年間、開発での農地の返納、ハウス等の移転などで、「どうなるんだろう」ととても心が苦しく、とても忙しく、また急激な温暖化にうまく対処できず、野菜や米も失敗続き、移転費用も思ったよりかかった、そんな時様々方々や仲間たちが応援やカンパをしてくれた、これで何とか持ちこたえられた、感謝感謝、これもお導き。どんどん減り続けた預金残高が、やっとこのところ少し落ち着いてきた、まだ増える兆しはないが、少しほっとした。何とかやり続けられるかも、今はそんな段階、落ち着きたいなと思うけど、「あんたは死ぬまで貧乏だよ」と神はささやく。