百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰農人    2022  7/17  ミンミンゼミの初鳴きは15日  

帰農人    2022  7/17
   ミンミンゼミの初鳴きは15日  

 待望の雨が降った。先週までの予報では、7月いっぱい雨マークは皆無で、有機仲間3人から「太陽熱マルチ」の設置についての相談があった。堆肥や糠、微生物資材などを散布した畑を畝を立てて透明のビニールで覆うと、発行がとても速く進み、熱に弱い腐敗系統の菌などや雑草の種が消滅する。この方法は有機農家の救いの神であり熱心に行う。が、今年は梅雨明けがあまりにも早すぎ、畑はカラカラの砂ぼこり、水分が少ないと熱効率が悪く効き目が極端に悪くなる。 「早く使う所は水分が少なくても早く設置し、あとは雨を待つ、絶対降るから」と指示をしたが、これほど降るとは、降り続く雨の中2日間、ひたすらネギ畑の草取りをした。しっかり土が濡れていると草は抜きやすい。鎌もほとんど使わない、抜いた草は畑の外に持ち出すのが理想だが、重い。長くつにも土がこびりつき歩くのも大変、そこで畝間に刈った草草の根の部分が土に着かないように葉を利用し進んでいく。数日前の雨であちこちにポツンと草の芽が見えている、それらもひっかじりながら進む、翌日はそれらの芽がすでに双葉に開いている、なんとも早いこと。今むしっている根元の草たちも本当は、発芽してすぐの頃土を寄せて埋め込む予定であったが、苗の定植後すぐに梅雨が明け、苗の根も伸びず成長が止まったため土寄せもできなかったので大変なことになった。でも他の仕事もできないのでカッパを着てひたすら草を抜く仕事はなんとも極楽だ。まだ根を大きく張った草も少なく、ネギたちも死んでいない。「ネギは人の影も嫌う」と先輩から聞いた、いつも思い出す。草に覆われると早く消えるのである。 雨は止んだ、明日からは「太陽熱マルチ」の設置作業に追われ、草抜きはスタッフにバトンタッチ、もう少しやりたかったな。

 有機農家への支援金も少しづつ増えてきた。「有機JAS認定」の所得に補助が出たのが大きい、北海道の畜産系が大きく増え、都市近郊の山梨県は高額有機農産物が売れず半減した。全国の有機栽培面積はいまだ0,6%、なんとも馬鹿げた進捗状況だ。「有機農業」という言葉さえこの国の中では表に出すことを遠慮している、誠に不思議な国だ、すべては経済、個人のカネ、この悪夢の終焉はどこに。