百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

2017 7/15 ふんどしにネグリジェ イザナにオーラ

梅雨は無かった。5,6,7月に幾度雨が降っただろう、まさか、まさかと言っているうちに、太平洋高気圧が元気に張り出し、夏本番の陽射しが降りそそぐ、いくらなんでもいつかは梅雨らしい雨をと期待し続けれ心を早く脱ぎ変えねばならぬ緊急事態、
梅雨時は旺盛な雑草との戦いだが、カラカラの畑では、草も残してやりたいと悩む、もう仕事服は限りなく脱ぐ、ステテコや股引き一枚でやりたいのだが、買い物や直売所に行くときは、いくらなんでもと海パンをはく、あとは扇風機と生ビール、ドブと焼酎のお湯割りがあれば気持ちよく乗り切れている
家は戸も窓も全開なので蚊帳は本当にありがたい。 
今日はまた最高に暑い
新宿先のダンボール工場の一角を借り舞台に仕立てた中で、二男イザナの芝居があるというので久々に出かけた。800円の新しいサンダルを買い、汚れえないような短パンとランニングを探し出し、前日にパソコンで行き方を印刷し乗り込んだとたん、後悔した
寒いのだ、冷房が効きすぎている
ランニング姿など俺だけ、みっともないけどこれだけは必要と持っていった首掛けタオルがあたたかくて助かった。
鉄階段を登った所に30人ほどの客席があり、ステージに障子2枚、薄暗い中で森田童子が流れている、まさしく芝居小屋だ、予想のごとくそこは蒸し暑い
客では俺が最年長。ばっと芝居が始まり、ふんどしにネグリジェをまとった信長役のイザナが堂々と演技をしていた、まことに圧倒された
影武者役の百姓男もかわいくこなしていた、彼は役者だ、たいしたものだ、かっこいい姿が脳裏に焼きつけた、良き人生の一幕に感謝。

2017 6/04 出産ラッシュ でもみんな貰い手がいる

2才のミミは1日に二度目の出産、朝には産まれていたが、夕方になっても後産が終わらないので心配していた、ミミの母さんは産んだ後、子宮が出てしまい亡くなった。
次の朝、もう1匹が産まれていたが、死産であった。初めの子、キンタとクンテ、双子のオスだが、キンタは育ちが弱く、1年後に死んでしまった。 
ミミの身体が小さいからか、あまりにも濃い近親相姦が原因なのか、わからない。
栃木の壬生でいっぱいヤギを飼っている幼稚園から、イカロスとハルコを分けてもらったのだが、その時点で園長が「だいぶ血が濃くなっている」とちょっと心配していたが、「沖縄の方の小島のヤギなんてみんなそう、心配ないよ」と竹細工の民俗学者の尚さん言わ
れ、人間も含め、色んな生き物の事を考えると「よくある話じゃあないか」と納得してたが、ちょっと揺らぐ

4日の朝、今度は冬子が1匹産んだ、母体が大きいだけに赤子も大きいししっっかりしている。ぺろぺろよく尻を舐め、しっっかり子の面倒を見ている、比べて母に育てられなかったミミはどうも母らしくない。
両方とも1匹づつの子なので乳は余るだろう、少し絞ってみようかな、西土佐、四万十のマナちゃんの父はいつもヤギ乳でチャイを作っていた、との事を思い出した。少し仕事が追いついたので遊べるかな。

今週終わり2日間、NHKの撮影がある。「ふる化カフェ系 ハルさんの休日」、水曜夜11時からと日曜夜6時半からの30分番組で、主演の渡部豪太くんと地域の人たちが演じる街の紹介番組で、今度のカフェは運河の「おにわ」、俺はヤギと共に精霊役らしい、いつもの汚いかっこでいいそうだ。

2017 7/08 永さん あっという間に1年 なんだか生きてる

宇都宮までヤギを運ぶ仕事があり、久々のドライブを楽しみにしていた。ヤギ3匹を軽トラに乗せ、高速に入りしばらくして、全く嫌になった。
眠気防止や事故多発場所などをワザとガタガタにし注意を促すのだろうが、クッションが固いオンボロ軽ト
ラのハンドルンは凄い振動が来て、また色んな所が分解しまいか?と心配になる、振動と風圧でバックミラーが下がってきたので、パーキングで直して締め付けようとしたら、左がもげた。益々心配しながらの運転、とても疲れた。長距離運転には自信があり、いつもドライブを楽しんでいたが、もうだめだ、ガタガタ道恐怖症、なんだか自分の時代が終わったような感じがして、とても寂しさの中帰りは、調べて行かな
かった下道を迷いながら帰ってきた。

 ヤギの届けぬ先は「農人たち」という42歳のノブが5,6年前に開いた農園、有機の農家は宇都宮では超レア、だから幾人もの変人たち手伝ってくれて、森を畑に開墾する作業を進めている。まだ根っ子が多く残っていて草を刈れない開墾畑にヤギが必要なのだ。以前の3匹に加えて全部で6匹、でもちょっと食い尽くすには広すぎるかなと心配、でもうまくいくことを願う。 
ノブは新規就農資金を借り機械やハウスなど新品が色々揃っておりなんとも豪華、今農家を始める人たちには潤沢な補助資金があり、自治体の体制も整っており、超馬鹿げた苦労もせずに営農に専念できる。
でもやはり良い物を作って、しっかりと売りさばくことは日々苦労を重ねる。元文化のアナウンサーのひろ子が彼を支え、聖地の日々を作っている、70のノブの母もステキ、また仲間ひとつ。

2017 6/30 日本中が豊洲になるよ

数日前、軽トラのラジオが壊れてしまった。忙しい日々の中、数分であってもラジオからの情報に聞き耳をを立てている、肉体の一部がなくなったようで、その夜、慌てて買いに行く。少し高いがワイドFMが聞けるオーディオに付け替えた、
よく聞く局はTBSと文化放送だが、FMの新周波数帯でも聞けるようになった、音声の質、受信状態がとても良いそうだが、数年前までのラジオでは聞くことが出来ないのが不愉快だった。
あこがれのワイドFM、まるっきり音が違った、超ポンコツで、泥まみれの軽トラに放送局内部で聞いているような、厚みのあるしっかりした音が流れ出た、大きくしなくてもよく聞き取れるので頭が疲れないのがありがたい、ラジオ様様だ。

 昨日NHK福島局が「放射能汚染残土」問題の取材に来た、今年3月に基準が緩和され、「8000ベクレル以下」の残土はある程度遮蔽され盛り土をすれば全国どこでも埋め立てられるようになり、すでに各地にどんどん運ばれている。千葉も銚子や市原などにダンプが走っている。 流山も濃い放射能の雨が降り、農園の土も汚染され最初は「1200ベクレル」もあり、土埃での体内被曝はとても気になった、勿論子を持つ親たちの反応は凄く、芋ほりや農作業、砂場遊びなどは禁止、引っ越す家族も多かった。その5、6倍も高い放射性残土の埃が日本上で舞い上がり、埋めた所は遮蔽するから問題ないというが、豊洲市場のような土地を作りまくるようなものでは
ないか、監視体制が必要である。番組は東北地方で映されるようで、日にちは又お知らせします。

2017 6/25 迷え 迷え 堕落せよ

 稲は最高分げつ期を迎え穂数が一気に増へ、背もぐんと伸びる、もう少しで葉で隠れ水面が見えなくなり、雑草の生育も弱まる、今が除草の最大の山場だ。
昨年購入した「アメンボ号」は今年もよく活躍してくれて大体それなりにきれいだ、しかし深い田んぼが2枚あり、除草をためらっていたら、やっぱりビシッッと草がはびこった、手押しのミニ除草機ではらちが明かなくなったので、思い切って「アメンボ号」を入
れてみたが、すぐにはまり、軽トラでも引っ張ってもびくともしない、トラクターで引っ張るしかないが、もう夕刻、「やーめた」と早帰り、たまにはいいよね。

 昨年より、守谷の牧場まで牛糞堆肥を運ぶ為、借用ダンプで一日4,五回往復している。野田を抜け坂東を少しかすり、守谷の外れまで片道50分、25㎞、ダンプもたまにしか借りられないし、一日6千円のレンタル料、1回でも多く運ぼうと、混んでいない脇道を多用し、弁当を運転しながら食べて10時間の連続運転はけっこうこたえるが、ケチらないで堆肥を畑にドバっと播ける方が心残りはない、有機の圃場は
年々豊かになっていくからというのは本当であるが、甘えていると手痛いひっぺ返しがすぐにくる。百姓の小学生を卒業したと思ってたのに、中学生も中々大変だ、ちょっと慣れて気持ちが集中できない2年生かな、本当の中学生時代も1年、3年の時のことはよく覚えているが2年はぼやけている。
麻実が無くした電子辞書をマサが見つけ、所蔵の漱石や鴎外、泉鏡花田山花袋などを読破するが、なんかみんな中二の半端さが、昨日、安吾を、これは爽やか、出口かな。

2017 6/19 雨よふれふれ雨よふれ

昨日はスタッフの木野ちゃんの結婚式、式場は豊四季の諏訪神社、家族だけで小さくやるからとはいうが、俺と農園女子二人が無理やり参加。新婦も含め2人は、写真家であり、店開店当初以来のお客さんのKさんから着物を貸していただいた、
一人はお婆ちゃんの、みんないいおんな。着付けや写真もKさんにお願いしたかったようだが、宝塚の舞台の観劇の予定があり、和装での特別な舞台だとかで、外せないと、残念。 
漫画家志望の旦那の作品が日の目を見たら結婚式をと思っていたが中々、思いきって式を決めた一月後、妊娠が発覚、なんとも、なんともおめでたの連鎖反応、親族の守護霊たちのご加護を感じざるを得ない。
どのようなものでも良い、小さくても構わない、冠婚葬祭は大切にすべきだ、俺たちも貧乏の極致だったので、赤城神社を借り、食事等も用意して、目いっぱいの親戚や知人たちを招待することが出来た、時々写真を懐かしく眺める、亡くなってもう会えない人たちも沢山、やっておいて良かったと改めて思う。

 NHKの「ハルさんの休日」は先日農園での写真撮影も終わり、今度の朝市の撮影で終わる。放映日は7月12日(水)の夜11時からと再放送が16日(日)夜6時半から30分、仲間たちとみんなで頑張って演技しました、見てください。

 4,5月からの少雨が続き、野菜の生育が非常に悪い、梅雨に入ってもカラカラ、経済的にも大ピンチ、わずかにある貯蓄を切り崩して凌ぐ寂しさに眠れぬ夜も、考えるのも嫌になり、小説やテレビにかじりつく、日々、ともかく気持ちを立て直さなければ、秋に向けて一歩一歩だ。

2017 6/09 自然な笑顔って、難しいよね

きのう、今日と、ドラマの撮影、「「ふる化カフェ系 ハルさんの休日」は、店とその周辺を紹介する番組だが、少しでもドラマチックにとの企画に、紹介される者たちは様々な演技何度も強いられ、撮影が続く。
「顔が死んでる」、「もっと大きな声
で」、「目線はこっちで」とか、みんな色々言われている。 60半ば位の恰幅の良い威厳のあるひげ監督は「そこ、もう少し上アップ、顔だけ」とか支持しながら、手際の悪いスタッフをしょっちゅう罵っている。毎週30分の番組を作るのは大仕事、常に10数名のスタッフが立ち回り、ここ二日は柏のホテルに、明日は信州の「奈良井宿」、その後は筑前とか、主演の渡部豪太君も来年からの「大河」で西郷さんの弟
役で撮影があるので調整が大変とのこと。

 昨日撮ったシーンは、帰っていくハルさんにヤギと俺が草むらから現れ、春さんがあためいて走り去るとのこと、監督は「シェーン、カムバックみたいに見送って」とのこと、ハルさこと渡部君は「シェーンて何?」と知らなかった。31歳、はてさて、同い年の俳優修業のイザナ君はと思いながら演技、というよりもヤギのクンテをうまく動かせるかに集中していた。次の日もそうである、脚本にはほとんどセリフが
無いのに、撮影中どんどん要求される
「この後、ヘンテコな感じで去って行って。ではよーいはじめ」と言われ、すぐに撮影、適当にやったがOK、でもその後は悔いばかり、「ああすればよかった」との思いが次々に湧いてくる。「役者みたいだね」とさんしょうが、祭りの後の寂しさに火をともす。一瞬であっても役者、おもろかったね。