百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰 農 人 2020  11/22

帰 農 人 2020  11/22
  4度目の正直、天気よ たのむ 

ここ半月オンボロ軽トラ2台の調子が悪く泣かされ続けた。1台は朝のエンジンのかかりが悪く、毎朝他の車で引っ張ってエンジンを始動していた。修理屋に出して戻ってきたが、3日の内に元どうりに、もう一台でしのいでいたが車検で排ガスで引っかかり、修理屋に出すが調整等では治らないし、いくらかかるかわからないそうでとりあえず引き上げてきた。
すでに修繕費に11万かかって2台ともまともに使えないことに深く落ち込む。 
朝のかかりが悪い方のプラグの交換を修理屋に相談したら、まず排ガスを調べなければ交換しても意味がないかもとの事、やる価値はあると判断され、工具を借り俺が交換し、プラグの支払いに行くと、社長は代金を受け取らなかった。みんな大変悪がっている、「さっき排ガスを計ったらよかったので、こっちのキャブ(燃料と空気の混合機)をむこうに取り付けたら?」「いいかも、そう難しくもないですよ」とのこと、すぐに挑戦。 10本位のホースやコードがついていて、取り外しには苦労した、20年くっついていたものは中々外れない、きっと専用の工具があるんだろうね破損したホースなどを引っ張ってつけたり、いつもの農機具の修理の感覚が生きてエンジンは動いた、すぐに車検場に、通った。もう一台に問題のキャブを取り付けたら、調子が良くなり、毎朝すんなりエンジンは始動する。
ここ5ヵ間2台は何事もなかったように調子が良い。あの悪夢からの解放に、俺とマコトは「これ、本当?」と煙にまかれたような気分を感じている。捨てる神、拾う神だ。

研修生の太史は、「父の夢枕に聖徳太子が出てきたから名付けられた」とのこと。「子」では女みたいだから「史」。太史は小まめによく働く、大掃除を始めたマサに手伝わされて障子の張り替えを連日やらされた。毎日掃除機もかけてくれるし、夕飯も自分で作る。数日
前にクルミから「山登ろうよ」との誘い、今度の土曜日飯能の近くの「棒の折れ山」に決定、
太史も登山部だった、行というので誘ったらという、麻実も参加、お願い雨降らないで。

帰 農 人 2020  11/16 11月の花火

帰 農 人 2020  11/16
11月の花火 

昨夜6時過ぎ、爆発音が聞こえた。なんだろうとマサと話していると、しばらくしてまた一つ、そして続いた。花火だ。
外に出てみると丁度郵便局の上に上がっていた、青田当たりの自治会が盆踊りの時上げる花火を11月に上げている。
30分以上続き、最後は連発。近所の家族や子供たちの叫びも聞こえる、みんな周りに迷惑をかけないようにひっそりと暮らしているが、そんなのつまらない、もっと賑やかな世界がいいな。この花火は今の状況の中で嬉しい演出だね、

今年は無人直売所での盗難が多い、仕方のないのだと思う。これでもか、これでもかとコロナが収まらない。でもずっとつきあい続けて下さったお客さんたちには少しでも良い野菜を渡し続けたい、できる事はそれくらいだ、我慢の時だ。

ここ数年、薪を貰っている植木屋の兄ちゃんが自分の家のストーブ用に貯めていた古い薪があるというのでもらった。確かに古く、油は抜け、スカスカした薪は雨による水分も多い、軽トラ何台分かのその薪を今使っている。燃えにくく火力も弱い、でも工夫すればなんとか燃える、まだ寒くならない今のうちに使ってしまおう。ともかく俺の周りにはオンボロが集まりやすい。それを工夫して生活するのは好きだ。
昨日も機械の一部が取れてしまい、すぐに溶接して直した。最近溶接にはまっている、まだまだへたくそだがそのうち腕も上がるだろう、これから玉ねぎの定植が始まる、畝をたてマルチを設置してくれるこのマルチャーが活躍する、修理した部分がまた取れなければ万々歳だ、楽しみ。

昨日から農業を目指す26歳の太子君が1ヶ月の研修に入った、聖徳太子の太史君だって。
「僕、手際が悪いんです」と自ら白状する素直さがいい、料理もできそうだ、唐揚げを作らせたがやはり時間がかかる、まあいいか、工学出なので機械は強そうだ。登山も好きと言うから話も合う、さて今日は何の仕事をしてもらおうかな。

帰 農 人 2020  11/02 生姜が枯れてきた もうすぐ霜がおりる 

帰 農 人 2020  11/02
 生姜が枯れてきた もうすぐ霜がおりる   

ここひと月、フランスのマクロンさんがかっこよく出まくっている、まるで映画のように演出されている。
大統領は役者だ、心をこめて家族に伝えるように優しい言葉で説明をし、ウイルスに負けている事も認め、新たに実施されるロックダウンを丁寧に説明する。死を家族と共に迎えられるように漫然の準備をする。
祭の時は外出を許可するなどカメラに向かって一時も目をそらさず10分ほど話していた。
首を切られた先生はソルボンヌ大学に設置された荘厳でおしゃれな会場で国葬にされ、表現の自由に最大の敬意をはらっていた。その後に教会で3人が切られた後も宗教と表現の自由を力を込めて語りかけた。
4年間誘拐されて母国に帰ってきたマリでの慈善事業家がタラップを降り家族たちに迎えられるすぐそばでマクロンはそっと微笑んでいた、出しゃばらないのがすがすがしい。
EUでのコロナの再急増には驚いた、どの国も政策の落ち度を素直に認め、新たな自粛政策に入った。みんな大変だが助け合っている。それに比べ米国は滅茶苦茶だ。大統領も言うことを聞かないが、国民も自由すぎる輩が多い、それでもけっこうトランプを支持している国民も多い、国民の13%が地球は丸くなく平だと信じているのだから凄い。
戦争をしなかったとの評価もある、それはあるかも。
なんか最近トランプが可愛く見えてきた、ちょっと困った。数日後が楽しみ。


今年は農業インターシップの研修生がやたらと多い。
コロナで受け入れ拒否の農園も多いそうだが、真剣に農的生活を目指す人が申し込んでくるので断れないのだ。
海外協力隊の事務局で働く女性は先週。昨日からは大手ゼノコンの現場監督の56才の方が来ている。彼は2年後に早期退職し長野に移住し百姓になる準備をしている。2反の畑つき宅地に小さな家を建てる計画を進めている。移住先は3年前から探していたそうだ。連れ合いからの様々な要求を呑んでいくことに苦労を重ねている、その中に農業には金かけないとの事項もあると聞く。
それならいっぱい教える事がある。まかしてくれ、自信がある。

帰 農 人 2020  10/27 祈って精進 それしかないか

帰 農 人 2020  10/27
   祈って精進 それしかないか

 雲一つないあっぱれな秋空は久しぶり、木々も街も美しい、そんな日曜日久々に店の2階で公朗のシタールの演奏を聞いた。
インドの山奥で5年始業し、その後35年演奏し続けたシタールの音は一音一音に心がこもり大地天と交響し合う。
インド音楽の奥深さは凄いんや、やればやるほど楽しい」と語る公朗だが「心がまったく日本晴れになることはない、半分は常に沈んでいる」と寝たきりの妻、美郷さんを思うという。
面会もできない毎日、数々の奇跡を見せてくれた「養生のラーガ」を施設の病室に向けて演奏を続ける。同じ時刻に知り合いのヨガ教室をしている女性もマントラ(お経)を百八回唱えてくれているようだ。彼女は癌の手術の前日にこのマントラを唱えてたら完全に癌が消えた奇跡を体験した。公朗の演奏を聴いて様々な病気が改善した人が多くいる、でも「自分の腰痛には全くきかん」そうだ。 
美郷さんが元気なころ、幾つものお寺に連絡を取りコンサート依頼した。
住職の顔写真をよく眺め、この人は良いと思うと大体あたるそうだ。薄く残った長髪も真っ白な六七才、苦難と貧乏の中毎日祈りの生活を続けている。贅沢もいう
「東京での演奏会はありがたいけど、半分気が引ける」とのこと。ともあれ祈り続ける聖者の演奏を聞けた事はありがたかった。

今年は春に水稲の育苗を失敗して田植えが遅れ、稲刈りも遅れた。
先日最後の稲刈りをした黒米が昨日ようやく干し上がり、脱穀をした今日籾摺りをすれば明日からは出荷できる、共に遅れた玄米餅も今日から出荷できる、共に皆から待ち焦がれていたものだ。
味噌はもう一月位かな、またかき回してみよう。
後はこの秋大失敗しほぼ一ヶ月分のカブ大根や葉物大河虫たち食われて毎日数少ない野菜たちを情けなく出荷する情けない日々が続いている。こんなことは初めてだ。次の野菜たちの成長を祈るように毎日眺めている。そんな中で来年の野菜たちの種を播き続けすこしでも実りのあるように心を叱咤し、夜の酒量は多くなる、中々酔えないね。

帰 農 人 2020  10/18 10月25日(日)はインド音楽演奏会

帰 農 人 2020  10/18
   10月25日(日)はインド音楽演奏会

 「でも、なんでみんな生き続けられるの?」、寝たきりのミサトさんの事を支え続けている公朗から電話があったので聞いた。
「機能は退化するけど、生かす技術はある。流動食は喉に詰まらせる可能性もあるから、点滴だけに切り替えます。嫌なら他の病院に!と脅かせられたんや。えらく悩んだけど、コロナ騒ぎで転院もできなくなり、そのまま流動食が継続。コロナ様様や、でも会えへん」
 「半年ぶりのライブが東京であるんだけど」との電話。金、土、日は空いてる?店で演奏してよという声掛けに快諾をもらい店の二階でコンサートをすることになりました。コロナ等を配慮して10名3千円、期日が詰まった無茶苦茶企画。でもこんな時、こんな贅沢な場もそうにない、「インドの山奥の修行とか、インド音楽の奥深さ、そしてミサトさんなどを語って」「わかった、アッチが適当に茶々入れて」。3時間ほどの出会いを楽しみたい、だれかきて、一緒に遊ぼう。けっこうレアな集いになりそうだ。

 東京杉並区の農業系高校の3年女子のアンリが研修で昨日来た。昨日は緑の党の企画で、作業を手伝い、「種苗法改正の話し」を俺が話すという企画だった。先週の予定が台風で延期されたので先週ならば、晩生の黒米の天日干しを手伝ってもらおうと楽しみにしていたがダメ。
今回も雨模様、ハウスの中で唐辛子の選別作業をしてもらった。ハウス内の意外な暖かさに安堵した参加者の口は非常に滑らかだった。ハサミを手に、選別を真面目に進めながら環境や政治、文化のなどが湧きあがる、元市議会議員の女性2人、現役1人、その濃い人たち。アンリは最近世界の農業の授業で学んだばかりの事が、より詳しくわかりびっくりした、とても有意義だったと帰って行った。父は奄美、母は高地の山奥育ち、東京のど真中で日本料理屋を2人でと結婚しての3女は美人で頑張り屋。バトミントンなどの部活を頑張りながら、「嫌いな子が会長に立候補するという話を聞き、その子を会長にさせないために自分が立候補して会長になった」と息をまく。とても気丈夫。父を尊敬し、母とはこの所絶交状態だとか。
 数日後ワインを仕込むから納豆はたべられないという。卒業式に親たちへプレゼントするという学校の企画だそうだ。東京にあるねいい高校。

帰 農 人 2020  10/10    世界に愛は満ち溢れている

帰 農 人 2020  10/10
   世界に愛は満ち溢れている

 稲刈りも後は黒米を残すのみとなり、秋冬物のあらかたの種蒔きも終え、台風によるこの3日間の降り続く雨の日は、良い骨休みになった。
最初は帳簿の整理や車検の準備などをしていたが、そのうち、わりと飲んだくれてテレビなど観ていた。マサが見ていた昔の刑事ドラマ「ごんぞう」にハマりってたわけだが、その壮絶なラストシーンで「世界は愛に満ちあふれている」と犯人に訴えながら死のうとする内野の泥臭い演技は聖なる野蛮人、いいね。 
 フランスのニュースでは西アフリカに位置する国、マリでイスラム過激派に4年間、人質として拉致されていた75才のソフィーペトロナンさんが解放された様子を流していた。
彼女はマリの援栄養失調などに苦しむ孤児たちなどへの援助団体を立ち上げ活動していた。飛行機から降りる彼女を迎えるのは家族とマクロン大統領だ。
「何を食べたい?」という問いに「ただただ心配して手を尽くしてくれた息子に謝りたい、こうして姿をみるだけでしあわせだ」と語り、すぐにでもマリに帰り活動を続けたいと息子の腕の中で語るソフィーはマザーテレサだ。
拉致された先では毎日ちゃんと丁寧に面倒をみてもらっていたそうだ。事態を修行ととらえ、希望をあきらめず、瞑想をして日々を送ったとのこと。ムスリムに改宗したそうだ、「私の名はソフィーではなくマリアム(。アラーの庇護のもとまたあなたたちと暮らしたい」とイスラム名を名乗り、マリの人達に笑顔を送っていた。

夜には知床で「クマを叱る男」のドキュメント。知床半島には500頭以上のヒグマが生息しており、そこで長い事暮らす漁師の爺さんはヒグマの心をわかりつくしている。ちょくちょくそばまで現れるが排除しない。近寄ってくると「コラッ」と怒鳴るとクマたちは逃げていく。
その地区でのクマによる人への被害は出ていない。絶対に餌を与えてはだめだが信条、でも打ちあがったイルカの死骸などは流されないように紐をかけて、鮭が少なく飢えるクマらにさり気なく食べさせている。殺さなくても共存できる。ここにもマザーテレサがいる。
ノーベル平和賞に餓える人たちに援助を続ける世界食糧基金が受賞したとのニュースも嬉しい。 さあー寝ようと布団にもぐったら、ヨコ寝をしながらテレビを見ているマサの肩の上で猫がぐえっと吐き出しそうな嗚咽。「だめよミーコ」の声にピタリと止んだ。「猫を叱る女」がいた。

帰 農 人 2020  10/02  ボンボン時計の音だけでも

帰 農 人 2020  10/02
   ボンボン時計の音だけでも

 昨日、緑の党主催のウェブセミナーに参加した。
今最高に面白い農家遊びを実践中2年目の高坂勝氏の講演会。「たまにはTSUKIでも眺めましょ」というオーガニックバーを池袋で開き、そこで悩めるお客さんたちに「ともかく会社辞めたら?」とアドバイスし、持続可能な生活を促し、市民活動のなかでも中心的に動く。
今はバーを閉めて、田舎暮らしで生活できる様々な形を、懸命に模索しているひとだ。
農家民宿や体験学習、自給区割り田んぼなどなど、大学の講師などもしており、フィールドワークが仕事にもなるので、思いのたけを実践し続ける事が出来る。面白いの頂点だ…
とてもうらやましく、ヒガミも湧くけど、彼には頑張り続けてほしい。年内には彼のもとに一度訪ねてみたいな。
 さてさて、オラはこの講演会の後、次のイベントの紹介をするようにと2日前に要請があった。緑の党で、成田市議をやっている会津素子からだ。「メールの中のチェックボタンをクリックすればズームに入っていけるから、5時からシステムチェック、6時半開始、1時間の講演の後、10月10日に真澄農園で手伝いをして、飯を食い、オラが「種子法」などの話しをする会の紹介の挨拶をして、終わった後、少し話し合いです」と連絡があった。
 当日20分遅れで家に着き急いでカメラやマイクなどをパソコンにつなぎクリック。少しのアプリを入れる作業は簡単、すぐにつながった。
すでにスタッフたち4,5人が画面上に、自由に会話が出来た。講演会には100人以上の申し込みが全国からあった。エジプトからも。
講演中は参加者から、意見や質問も出せる。スタッフたちはそれを見てみんなに見れないように話し合うこともできる、ちゃんと運営できる機能をズームは持っている。「緑の党の紹介のシステム、ダメなの」「そのデーター送って、こっちで流すから」とテンポよくやり取りする可憐な会津市議と白井の美人市議の小田川あつこの会話には「こいつらできるな」と胸が高鳴った。
真澄農園イベントの打ち合わせ中、うちのボンボン時計が6時を告げた。
「今の音なに?」「いい音でしょ、明治製の時計の音が素晴らしいが、ねじまきは週1回で忙しいよ」、電波にのってみんなに届いた。