百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰 農 人 2019 11/15  尚さん 来年もよろしくね

歌う弓さんのかかとはほぼ浮き上がっていた。気功的技術を駆使して天地の波動をを歌声にしている…やはり巫女さんだ。
ハウスの中に畳表を敷き詰め、周りでは竹かご作りに手を動かしながら聞く人その他で百名位の人が聴き入っていた。何といっても「いつもなんどでも」は歴史的名曲だ
歌っている後ろはヤギ小屋で匂ったが、いつも教育的団体のコンサートが多いという中、まったく違う状況での中の演奏に、2人はとても楽しんでくれた。
ダンナの中川さんは、この会場の曲として「竹とワラと人」という題の即興曲を演奏してくれた。
あまり呑めない人なのに、演奏後の飯の時、ビールとドブロクを飲み、家に帰ったらすぐ倒れたそうだ。
なにより面白かったのは、音合わせ、調弦等が終わった後、演奏時間には間があったので「ちょっと体をほぐそうか、気流法でも」と声をかけたら、弓さんは応え、「水のエクセサイズ。からだを水袋と思って~、」と導いたら、多くの人がメビウスの輪の動きに乗せ合わせ操法に参加していたことだ。
さて弓さん、中川さんとの付き合いはこの後どう深まるか楽しみだ。

講座の方も講師三人が全力を尽くし参加者にそれぞれの感動を伝えた。スタッフを含め様々な人たちが支えてくれた、毎回二日間の昼飯を作っていつも大好評のマサも、今回はいつもの二倍の八〇人分に苦労していた、でもまた皆大満足。
何とかなった、講座の終わりかけには、ほっとして酒を飲みながら片づけと見送りをしていたら、ここで事件が起きてしまった。
片づけを任せっぱなしにしたので、参加料の受け取りや様々なメモを書き添えた参加者名簿がどこかに消えた。
翌日探し回ったががダメ、講師たちと記憶をたどりながら、清算をした、幾人もの貴重な住所も紛失、けっこう落ち込んだが、会へのみんなの満足な声が聞け、まだその余韻に浸っている。祭りの後の寂しさはない、人は素敵だ。

帰 農 人 2019 11/08  おでかけって いいね

またまた銀座に行ってきた。
今度は写真展、40年前まらのお客さんでもある笠島女史は、もうプロのカメラマンだ、よく畑を写しに来てくれる。
流山の仲間たちとの共同個展で那須にある農園に嫁いだルミちゃん達の5枚の写真があり「帰農人」とテーマされている。
午前中で仕事を切り上げ、3人で駅に向かったら、もう半月後に出産を控えるマコトの嫁さん、アヤノちゃんもやってきた。車中、出産談議に花が咲く、沢山歩いても平気そうでなにより。麻実の勤務する病院で産むので、麻実が産科に移るのは来年でも、ちょくちょく実習に入っていると聞き、偶然が重なると面白いなと想像する。
インドカレー屋に入るのなんて20年ぶり、手で食べやすいプレートに盛り付けされてきたので、嬉しかった。
久々に手で食べたが残念なのが、どのカレーも上等過ぎて物足りなかった。
二十歳の時の1年間のインド貧乏旅行では、一番安い宿や食べ物を探しまくった。
リキシャで友人たちとほとんど具のない強烈に辛いカレーを唐辛子を齧りながら路上で食べたり、聖地を巡礼する修行僧に化けて寺院で木の葉を木の枝で繋いだお皿に、青いプラバケツから柄杓で配られたカレーも忘れ難い。
汽車の中でのお弁当にと、新聞紙に包まれたドライカレーとチャパテイが一番心に残る。ちょっとであったがヒンズー語で会話し、手を合わせて定員さんと挨拶できたのが嬉しかったと振り返る。

明日、明後日は10回目の竹ワラ細工の講習会。今日は会場の準備と片づけでてんてこ舞い。
明日一日目の夕方からは尚さんを主役の飲み会、2日目は弓さんのコンサートなのだが、2日目が心配
演じる方も聞く方も満足できるスタイルにどう持っていけるか、心配性の弓やんといい加減な俺との久々のコンビ、美しく開け。

帰 農 人 2019 11/03 「水俣」は生きている

今夜は、寒くない。冷えてきたなと、毛布を巻きながら本を読んでいたが、丁度よく隣の家の解体が始まった。
解体屋のにいちゃんに「角材はみんなもらうよ、軽トラ置いておくから乗せといて」と、最初から話はつけておいた。
それを畑に運ぶこと4回、あと1回で終わりかな、ともかく乾燥しきっている材木の破片が庭先に山のようにある、うちの薪たちは雨に祟られ、しっかり水を吸っている。が、目の前に宝の山。
職人たちが帰った後、半分ぶっ壊されている家に、ヘッドライトに手袋をはめ、釘を踏みつけない様に適当な木材を集めまわる。
わずかな時間だが、ありがとうと至福の時間が過ごせ、勿論すぐにストーブは活躍し朝晩温めてくれること、ここ4、5日、ありがたやのヌクヌクの部屋。
いつもなら、焼酎とドブのお湯割りだが、二日続けてラグビー、正当な子どものケンカお手本を見入りながら、サーバーから何杯もサーバーからジョッキにビールを注いだ。

親族のような八百屋仲間「旬」の美鈴さんの百ヶ日の法要に一人芝居が上演された。
やおや旬のお宝「天神庵」に入ると、上がり框下駄箱の前に祭壇が作られ焼香ができるようになっていたが、線香用のろうそくに火が灯っていない。香取家は相変わらずバタバタだ。
農園のコンテナ二十個の上にコンパネを置き、布を被せた音響と音楽コーディネータの元での芝居は「天の魚(いを)」石牟礼道子「区海浄土」の中の一篇を、15年前まで上演していた砂田明の後をうけ、初老のベテラン俳優の川島 宏知が演じる。
爺ちゃんは、「水俣病」前の波の少ない水俣湾での貧乏でも心豊かな漁師の姿などを語り、家族がみな病気に掛かり、孫は産まれつき四枝はまともに動かせず寝たきりで話せないが、みなに迷惑を掛けない事を常に心がけている。
心を、神仏への祈りと共に孫に手を合わす。水俣は生きている。

帰 農 人 2019 10/28 竹わら講習会 あと少し空きがあります

中々畑の水が引かない。根菜類は腐らないか、根腐れも心配、ともかく仕事がはかどらない。
被災地に比べればまだまだ仕事ができるだけ幸せだ。全然秋を楽しめないが、長雨はよくある話だ。

来月の竹細工講習会で木村弓さんのライブで使う電子ピアノを探していた。弓さんも旦那の中川さんも生ピアノ専門で、納得がいく機材探しは大変だ。
わらしこ保育園関係のピアノの先生から借りられることになり、音のチェックに弓さんの家に持っていった。新居に入ったのも初めてだが、旦那とも初対面。まず驚いたのが、2人の音楽家が存分に創作や練習に打ち込めることが出来る家。1階にも2階にもでっかいグランドピアノがあり、1階はリビングも含めてコンサートもできるような粋な空間、俺が入ったらあちこちに土が落ち、やべっ。
ダンナは俺より一つ年上の現代音楽家、訳の分からん滅茶苦茶な音楽が大好きだが、金にはならんのでコマーシャルの作曲等で稼いでいるそうだ。
「ほら、あれ、夏目雅子さんの骨髄移植のやつ、黒烏龍茶、もっくんの」と弓さんに急かされ困ったように曲を聞かせてくれた。視線が斜め上目使いでちょこまか動く仕草は、不審者みたい。
実はスタッフの木野ちゃんが劇団にいたころ、中川さんが音楽担当で出演もしてたみたいで、いつもの怪しげな姿そのまま演じてと指導されたそうだ。
その頃から弓さんはメビウス気流法の会に誘い続け、今も続けている。5年前ほど前から谷川俊太郎さんも気流法に参加され交流があるそうだ、やっぱり縁はつながっている。 

電子ピアノを貸してくれたNさんのコンサートが銀座であるからいかない?と仲介の唐沢女子より誘われ土曜日の午後、デートした。話しは尽きない。
聞く前に昼飯をと会場前の日比谷公園で屋台を探したがなく、淡路島のアンテナショップでカレーを食べた。それなりの小さな旅であった。

帰 農 人 2019 10/13 なんだか映画の「台風クラブ」

最大級の台風がピンポイントで向かって来るのを待つ一日、なんとも言えない緊張感の中、朝から一時間ごとに進路や予報をチェックしながらずっと読書三昧
三国志第十巻」と「敗戦 野菊をわたる風(吉田直哉)」2冊をじっくり読めた。
2千年前に10万人づつの軍隊が戦い、長雨で兵糧がつき撤退する様子や焼夷弾の中を逃げ惑い、一年前まで暮らしていた長崎の天主堂付近の同窓生たちの原爆死などを読みながら、台風なんぞ屁みていなもんだと思いながらも、到達の8時9時をしっかり見据えている。
ハウスは風が吹き込まない様に、穴をふさぎ、紐を閉め、濡らしてはいけない物はしっかり覆った。後は祈るだけだ。台風が数十キロ以内の東側を抜けていくのが一番怖い、通過後の吹き替えしが凄く暴れる、昼ごろから予想進路は少し西側に、おっ、いけるかも。
でも家の中の雨漏り箇所はだんだん増えてきて、5,6個のバケツや鍋に水が溜まってくる。「映画の中の貧乏長屋みたい」とマサはなんか楽しそう、夕方には軒下に設置してある二百から百ボルトに変える機械ののコンセントがショートし、冷蔵庫やテレビ等の大事な物は別配線に写した、その後地上デジタルの映像が段々悪くなり、夕方にはみれなくなった。
屋根の上のアンテナが倒れたのだ。BS放送で予報は解るが、詳しい情報は得られない。仕方がないので読書に打ち込める変な日だ。
通貨前後のかぜの一吹き一吹きに耳をそばたて、大被害はないと確信して寝た。
三棟のハウスのビニールはめくれ上がったが、びりびりに切れてはなくすぐに何とか修繕できた。配線も屋根のアンテナも修繕できた。野菜たちも雨風に叩かれけっこうボロボロだ、でも立ち直れるだろう。 
昼飯を作っていたら農協の職員から電話があり被害状況を調べているという、「写真撮って被害届出しておきますね、たぶんでないけど」、農協さん
なんだか偉い。

帰 農 人 2019 10/05 ネット流通革命、なんかのれん

数日前に晩生の黒米を干し上げた。あとはそれを脱穀し籾をすれば今年の稲刈り作業は終了する、はずであったが、もち米の中に黒米が多く混入、間違って餅の中に黒米の苗を補植してしまったのだ。
試しに手で取り除いてみたが、相当に手間がかかる。識別選別機という機械があるが、とても高額、オークションで古くてボロボロなのが安く出ていた、場所も神奈川なので取りに行ける、今夜の9時過ぎに決まる予定だが、とても心配、ましてちゃんと動くのかという心配もある。
来週にはわかるだろう。もう一つの心配がある、来週の火曜日、市内の百姓かーちゃん達のリーダー研修があり、話をしてくれと呼ばれているのだ。母ちゃんたちと話がしたい、仲良くしたいというのは長年の夢の一つであった。
これを機会に元気な母ちゃんたちと何かできるようになれば幸いである。ともかく出てきた顔を見て、本音と現状をさらけ出すしかないだろう、なんだかとても怖い。

まだ少しでも暖かいうちに稲刈り後の田んぼを耕しておくとワラの分解が早く、雑草も少なくなる、でも畑仕事も忙しく毎年中々できないのだが、今年は頑張って明日には終わる事が出来るだろう。
10月に入って異常な暑さの中、今日は田んぼを耕しながら店はどうなっているんだろう、と心配していた。
10月から新レジでバーコードとカードなどの決済を始めたが、今日の特売日に店長のくるみが保育園の行事に駆り出され、機械が苦手なマサが引き受ける事になり、数日前から嫌がっていた。
慣れれば簡単なのになーと思うが、俺自身カード決済は今日、コンビニで初めてした時にはなんかビビった、あっ、できた、財布の金はなくならない、この感覚は何か心配。この金いつ通帳から引きをとされるのだろうか、なんか心配
でもちょっとわくわく、カード決済できない店は怯えているのだろうな。

帰 農 人 2019 9/29   カードレスは新たな消費税

いよいよ消費税が上がりカード決済には1年間5ポイントが消費者に還元され、レジ等の買い替えにも補助金が付き、キャッシュレス社会が大転換するのかなと思っていたが、そうではないらしい。
カード決済で消費者にはポイント還元されるが、格店舗は2.3%の手数料をとられる、死にかかっている金融機関には起死回生の打ち出の小づちだ。
スウェーデンでは公共交通を使う時、現金できっぷは買えないシステムになったそうだ。
「いつもにこにこ現金払い」を信条とし、毎日無人直売所の小銭を数え一喜一憂している毎日は楽しい、でも尊敬する北欧もそこに進むのであれば仕方のない事だなと、店には準備させた。
でもシステムは各家庭の電気量から毎月100円位が原発関連予算に回り、利権者たちの最大の賄賂システムが30年前より構築され、自然エネルギー産業の促進を阻んだ。
今度のカード決済促進により、政府と金融機関は新たな賄賂システムを作ったのは間違いない。様々な汚い金の流れは、いくら暴露されても罪に問われれない国を自民党は完成させた。

ラグビーアイルランドに勝ったのも歴史的勝利なら、関電の賄賂謝罪の傲慢な態度は歴史的敗北である。
明治維新政府は軍隊を育てる為に、先端の指示は政府に聞かなくとも動ける「統帥権」を与え、結局それが第二次世界大戦の悲惨を招いた。今は金と言う「統帥権」で完全にこの国は抑え込まれた。
でも今までは隠すことに必死になっていたが居直ってしまった恥じない利権者たちは、今読んでいる「三国志」の中では普通に成敗される。
でもフラワーチルドレンのヒッピーとしては、安部やトランプの日々の幸せを祈り、浄土への生活を追い求めるしかないのである。
波動の世界が全てだと思える。
金の波動ではなく命と慈悲の波動が世界を覆うように祈りの生活を続ける人たちと暮らし続けるしかない。あたりまえー、ってチコちゃんの声。