百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

 帰農人    2023  1/30 二日に一度、麴用の米16キロ、夜に研ぐ手は冷たいね

 帰農人    2023  1/30  吉田あち

   二日に一度、麴用の米16キロ、
          夜に研ぐ手は冷たいね

 明日、明後日と研修生が来る。しかし明日は大寒波で寒く北風もかなり強い。せっかくハウスの移動作業を手伝ってもらおうと期待してたのに、とても耐えられないだろうな、ハウス内の仕事だなと考えていた時「明日から二日間お世話になるSですが」と電話が入った、ダブルブッキングだ。幸いS君は市内在住で車で通ってこれる、でも、もったいないの2倍増しだ。翌日二人にはハウス内の草取りと午後は女性スタッフ二人と小さな発芽したばかりにトマトの苗をポットに移し替える「鉢上げ作業」をしてもらった。8百鉢ぐらいあったのでその日はそれで終わった、次の日は一日中ハウスの移動作業をしっかりしてもらえた。一日目の室内作業はことのほか大きな収穫を得た。それは以前からちょくちょく来ていた59才のKさんは数日前に生活クラブの農園に正社員として決まり、勤め上げたキャノンの再雇用もギリギリで断ることができ意気揚々。中大出で医療器の会社に勤めていた47才のS君は農業関係で働きたいとあてもないのに1月いっぱいで辞めると辞表を提出していた。一日目は二人でかなり話せた、これはよかった、俺は別の場所で作業していることが多く、ほとんど話せていない。でも最後の挨拶を交わすとき、確かな手ごたえがあった、彼は素朴な純粋な目で前を見ていた。不幸中の幸いだ。お導きだね。

 数日前、偶然「たたら製鉄」のテレビを見た。今でも昔ながらのやり方で上質の玉鋼(たまはがね)を作っていた。12人のチームで砂鉄を取り、炭を焼き、粘土5坪位の容器を粘土で作り、炭を焼き砂鉄を入れながら、3日間上手に燃やし続け、炉を壊し、炭を除くと、下に鉄の塊ができる。うまく焼くと日本刀になる上質な部分が多く取れる。弥生時代から始まる製鉄のやり方を今まで知らなかった。これで謎がひとつ解けた。あとは砂鉄の取り方を知れば鉄が作れる、歴史の流れの一端を感じれることができるだろう、楽しみ。