百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰 農 人 2021た  11/28 澄み切っ青空の秋 珍しい

帰 農 人 2021た  11/28

  澄み切っ青空の秋 珍しい

 長芋の収穫が終わった。1mほど掘り下げ、柔らかな芋を傷つけないように掘り取るのは遺跡発掘の様な慎重な作業を要する。30㎝間隔が2列50mを掘り取る前に重機を借りてガバッと横を掘り取れば作業は一日で終わるが2万円ほどかかる。種芋の代金を含めると収量が上がらなければ経費で半分が吹き飛ぶ。
まあどうかなと試しに少し手掘りしてみた。新たに借りたその畑は砂が多くわりと掘りやすく、数日空いた時間に掘ったらめどが立ち、10数時間ほどで掘り終わった。1,2割はスコップでキズを付けてしまった、長芋はあちこちで変形し、また2,3本に分かれている場合も多い。スコップをさした時「スコッ」と音がした時はやってしまった時で、最後まで時々やった。なんか技術を習得できないまま終わったようで面白くない、販売成績にもよるが来年は2倍ほどにして重機を借りてきれいに掘り取ってみたい。
どの野菜もそうだが今までうまく育たなかった野菜たちが元気に育って収穫できる時は大変気持ちが良い。本当にちょっとした心遣いで生育が変わる。毎年失敗を続けるものもある、米は百姓始めて以来の大失敗で収穫はほんのちょっと。昔ならば子供たちを売り払わなくてはならない状態であろう、それらを年々元気に育つ野菜が増えなんとかそれを補っている。この冬スタッフの給料がはらい切れればまた新しいスタート地点にたてる。来年は必ず気持ちよく米を収穫したい、リベンジというよりも自分の不甲斐なさを払しょくしたい為。

 数日前から19才の農業の専門学校に通う男子が2週間の泊まり込みの研修に来た。名は「ルイ」。最近始まった朝ドラの主人公の赤子の名と同じにである。戦時中生まれたその子は戦死した旦那がルイ アーム ストロング、ジャズの偉人から名付けた名であり、敵国からの由来を母は家族には話せないでいる。研修生のルイは大変まじめでおとなしく高校時代は陸上の短距離走者で体力はある。だが不器用である。どこまでなおせるかな。