百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰 農 人 2021  11/22 障害ファーマーとの付き合いが始まったね

帰 農 人 2021  11/22

  障害ファーマーとの付き合いが始まったね

 ここ1週間は仕事終わりの夜空に、だんだん太ってゆくお月さんが「ご苦労さん」とねぎらってくれた。ただラストを飾るはずだった月食は雲に隠れてわずかしか拝むことが出来なかった。明日からは当分お月様とはおさらばだ、日没が早くなるので火星と金星以外の星々も見えるだろう。
 お日様もだいぶ低くなってきたので、玉ねぎの苗などは光を求め南の方へ傾いている、彼らなりに必死なのだ。 この時期玉ねぎの苗を定植するのは膨大な人力がいる。他の仕事も色々あるので半月以上は玉ねぎを植えている、むろん雨でもひたすら植えている。 ここに大きな助っ人が入った。テレビに出たおかげで出来た縁である。この前来た身障者たちで「ゆめファーム」に所属する、精鋭3人が二日連続で来て玉ねぎ植えをやってくれた。どうやら今時期、暇らしい、昨年までは梨の選定の手伝いなどの仕事があったのが、今年はない。小間ごまとした仕事は障害が重い他の10人がこなし、精鋭の彼らは機械なども操作し大仕事をしてるようだ。週5日はしっかり仕事をさせないと生活リズムが狂うのであろう。真澄農園との縁も深めたいし、有機の野菜作りも学びたいようだ。また彼らを俺に預けると職員はその間に他の仕事ができる、近くの喫茶店でパソコンをいじってたりもする。大体様子が見えてきた、彼らから独楽のように太った職員の事を色々教えてもらった。海外青年協力隊でベトナムに行き、嫁さんも同じような仕事でドイツに行っているそうだ。今度ゆっくり話そう。
 身障者の彼らにも辛い家庭関係もありそうだ、ほとんど家に帰らないと聞いた。正月も。 鉄道オタクの彼は「しゃがんだら百姓は終わりだ」と職員からの教えを守り、立ち姿のまま黙々と玉ねぎを植え付け「しゃがまないから早いでしょ」と何回か言いに来る。確かにそうである、ミレーの落穂拾いで描かれる農作業風景の様に作業をすると腰は疲れず作業も早い。一人は俺にぴったりくっついて離れない、一人で苗取りに行って来たら怒られる「二人でやった方が早いのに」と、けっこう微妙。 生半可な付き合いではいかんみたい。