百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰農人    2022  5/08  100年前ロシアは日本を狙っていた

帰農人    2022  5/08
   100年前ロシアは日本を狙っていた

 一年に一日だけミシンをかける。どぶろくを絞る袋作りだ。いつもなら、その冬使い続けてきた蒸し布を使うのだが、どれも所々穴が開いていてダメ、新しいのを3枚買ってきた。卓上ミシンを取り出し、どうだっけとあちこちいじくりまわし、すぐに使えた、ミシンは大好きな機械で小学生の頃よりいじくり始めた。小五の時刺繡にはまり、良く手芸店に通ったりした。 中学の修学旅行の時、みんながその時だけの新しいバックなどを買い揃えるのはおかしいと、ボロジーンズの股上を切りバックを作ったが、新幹線に乗るあたりでどこかが破け、発車早々繕い直したのを思い出す。 中々暇な時間が作れないが、繕い物などできたらいいなぁ、と思いながらどぶろくを絞ると、角の縫い目の始末が悪く、吹き出たのが目に入って痛い、でも手は離せない、天然アルコールだから大丈夫だろうと作業を進めたら、すぐにすっきりした、目薬にもいいかも。

 数年前入れたひよこたちもだいぶバアさんになり、産卵数も減り、また外敵により襲われ少しずつ頭数を減らしていき、半月ほど前にメスは全滅。残ったオスコッコは寂しそうだから自由にしてやっていた。オスは中々猫やタヌキにもやられなく生き抜く。でも隣のベンツのおっさんがイヤがるので表には出ないように、蹴ったり叩いたりしていたが、それでも前に来るので、プラマルチの段ボールの芯で頭を叩いたらコンテナの中にひっくり返り気絶した、これはいい方法だと思った。そんなに痛めつけず誰でも簡単にいうことを聞かせる技を発見したとワクワクしたが、数日後猫にやられた。マサは「あち君がオスコッコの頭をふらふらにさせたから猫にやられちゃったんだよ」と責められた。 三日後には生まれたばかりのひよこが22羽やってくる、当分は店で飼われ、見世物になるだろう、命の再生は何よりも美しい幸せだ。 ウクライナでの戦争は世界中も国同士の政治的駆け引きが日々行われ、それをまた世界中の人が瞬時に知ることができるといった、地球上で初めてなあからさまな「帝国主義」の実況中継を日々目のあたりにしている。領土の拡張を目指す帝国主義の断末魔にしたい。

 

帰農人      2022  4/24 そろそろ田植えだべ 神おろしはどうすんべ

帰農人      2022  4/24 
そろそろ田植えだべ 神おろしはどうすんべ

 柏に「夢ファーム」という障碍者が働く有機の農園がある。半年前から月に数度研修を兼ねて手伝いに来ている。昨日の土曜日にはイベントが企画され、是非来てくれと言われて、土作りの話をしてほしいとのこと。ハローキティと一緒に農業体験が主な行事で、土作りと種まきをするとのことであった。 何のことはない、ブルーシートの上に堆肥と土の混じった山があり、大人たちは交代でスコップで混ぜ、子供たちは2mほどの容器に入った土を移植コテでかき回している。時間が来たら交代させるだけ、みんな何のためにしているのか何の説明もない。でもみんな私語も少なくもくもくと従っている。農園の親会社のパソナと兼松とサンリオの若手家族たちの静けさは不気味なほどで、これじゃつまらんだろうと語りかけた。「この土は食べられるよ、いい菌がいっぱいでおなかにもよく、いいうんこが出るよ、~」と声をかけ始め、ちょこちょこあっちこっちで話をした。 その後枝豆の種が入った紙コップをキティちゃんから渡され、マルチの張った畝には1mくらいずつに番号が書かれその中に10個ほどある穴に2個づつ種まきをするのであるが、子供と家族が永遠とやっている、これもやばい。「あんまり深いと豆が腐っちゃうよ、」と色々話してたらマイクが飛んできた、農園の連中はイベント慣れしてないようだ。親会社の企画の手伝いという感じで、百姓たちと参加者の会話はほぼない。誠に胡散臭いイベントであったが、彼らが育てている野菜たちや土、苗、畝などを丁寧にみることができた。ちゃんと丁寧にやっている、ただ障碍者たちの働く場作りが主で、営農としては成り立っていない。あまりにも非効率だ、このシステムの是非はわからない。けども農園のみんなは好きだから付き合いは続けるよ。

 関東はだいぶ暖かくなってきたが、西欧や中東地域はまだ寒い。でも石油の値上がりで、薪ストーブの使用が多くなり、ヨルダンでは大胆な違法伐採が各地で行われているが非難する人はいないそうだ。全世界でやっているだろうな。食用油の高騰も騒がれているが、日本では安いパンやスナック菓子やラーメンなどの様々な目的でパーム油を大量に消費している。これがインドネシアの泥炭地火災の原因だ、一回の火災で日本のCO2ほど出る。でも知らんぷり。

帰農人  2022  4/10 蚊もあらわれ、コウモリも飛び始めた

帰農人      2022  4/10
  蚊もあらわれ、コウモリも飛び始めた

 10日前に種まきした水稲の箱苗たちには「太陽シート」という程よく光を通すキラキラの銀紙のようなもので上を覆い、保温し水分の蒸散を防いでくれている。毎朝どの位芽が伸びたかを確かめる。芽が4.5㎝に伸びたのでシートをはがしプールに水を注ぎ入れた。2m×30mのビニールプールが2本ハウスの中に設置してある。奥に向かって下がっているので、それぞれに角材でダムを5か所ずつ作り全体の水位を調節する。おもちゃのようなミニ田んぼにチョロチョロ入る水たちの様子を見ているのはとても楽しい。昨年はそこまでの発芽に失敗し、始めてほとんど米が採れなかった。ここまでくれば何とかなる、昨年の春夏の嘆きはここに終わる。でも2町歩の6割の田んぼは開発で来年から作れなくなる。田畑の再拡大、ハウスの移動等の大問題はこれから立ち向かう大きな課題だが、あまり考えると落ち込むので今はただ目の前の農作業に没頭しよう。ウクライナの戦火の病院の人たちとおんなじだ。

 ウクライナの小麦は何とか3割減くらいで収穫できるそうだ。昨年の在庫もまだ沢山あるが船がロシアから攻撃されるので輸出できない状態だそうだ。EUの戦艦をアゾフ海に派遣して商業船舶の保護をすればよい。難しいかな、商船の中に武器弾薬、戦闘、兵糧等が必ず紛れ込むとしてロシアは許さないかな?、それでもEUは世界の飢餓や政情不安を無くすためだと言いながら陰で支援物資を送ればいい。制空権だろうと、ミサイル発射基地だろうと無意味で無差別な殺戮侵攻に対しては周辺国は断固たる軍事援助ををすべきだ、今はロシアの侵攻を撃退するしか方法はない。悲しいことだがこの局面では「非暴力」とか「非武装」などの理想的な対抗手段はプーチンの物笑いになるだけだ。何とかウクライナの兵士たちにロシアの軍隊を自国に引き返さるように戦ってもらいたい。それしかないのだ、アゾフ海沿岸地域をロシアが支配したら新たな世界的危機が始まる。中国の東シナ海侵攻とともに大きな火種だ。 人類とは何なのか、国家とは何なのか、今世界中でみんなが考えている、より良き道を見つけ出せれば。

帰農人  2022  4/03 4月一日に抱いた小さくて大きな夢 

帰農人      2022  4/03
  4月一日に抱いた小さくて大きな夢      

 この数日の寒さは最後の遅霜の可能性があったが、どうやら凍らなった。1週間前にはトマトの苗が少しやられた。もう夏物の枝豆やトウモロコシ、ナス、ピーマンなどどんどん植えられる、もちろんまだビニールトンネルなどでの保温が必要だが。ここから5月半ばまで気の抜けない日が続く。

 先日国会で「みどり戦略法案」が可決された。20年前に「有機農法促進法」という少しずつ有機農家を増やしていこうという腑抜けた法案が出来たが、まったく有機農家の数は微増にと染まったままだが、こんどの法案は「有機農業の拡大」と「化学農薬、化成肥料の削減」を目指す。つまり環境少しでも壊さないようにしようとのことで、今までの生産性向上、大規模化を目指してきた方向の農政と180度の様変わりだ。どのように予算化されたのか、具体的な政策を見てみないとまだわからんが、大進歩といってまずは拍手だ。 フランスではウクライナ侵攻による食料危機の緩和策として、今まで「農地の4%は耕作しないで自然環境を保護する」という政策を撤廃し増産に取り組んでいる、つまり自然環境大切にする文化がEU各国に国民の意思として育ち、それぞれの基本政策に反映されている。今現在の日本は「有機農業」はタブー視されマスコミでも完全にあえて避けてきたなんとも悲しい現実がある、でも世界の趨勢を見ていくつかの企業は「環境」や「搾取」などに問題があるものは避けなければと本気で動き出した。確かに風向きは変わった。今年は日本の「維新元年」だ。金と利権、名誉などに振り回され、人間関係と自然環境を破壊し続けたこの国の姿が変わるかもしれない、様々な日々の変化に注視しできることを探ろう。

 4月1日にウクライナに関するエイプリルジョークが出ないかなと、ニュースを見ながら考えていたが、見つからない。「プーチンが死んだよ、亡くなったみんなに謝りに行くって、ロシア国民には、核のない世界を作ってくれとの遺言」と、スタッフの木野ちゃんに言ったら信じた。「これで世界は大収束するよ」「ウソ―、でもすごい」、数十秒後、「4月1日?」とばれてしまった。

帰農人  2022  3/27 歴史は語る

帰農人      2022  3/27
  歴史は語る 

 昨日運河の朝市でいくつか開いた桜を見たが、今日はあちこちで3部や5部の花盛り、気の早い桜である。ゆっくり咲いてくれないと気忙しくてしょうがない、江戸川の土手も菜の花も満開間近、これも見事な咲きっぷりだ。この時期、虫がつく葉物やキャベツなどは、丁寧に防虫ネットを張らなければ「チョウの大生産工場」に簡単になる。普通の畑でネットも張らずにどんどん植え付けしているがとてもうらやましく見える。仕方ないのだ。とても忙しいこの時期「インターシップ」の研修生は来ない。年度変わりで受付組織も変わるからだ。以前は朝早くから夜遅くまで仕事してたが、今はできない。本やテレビも見ないとその一日の生活はおさまらない。今、司馬さんの「翔ぶが如く全8巻」を探索中。明治維新前後から西南戦争西郷どんが倒れる位までの日本政府の様子を詳しく知ることができる。まだ力のない政府が武士という職を失い爆発しそうな圧力を「天皇」の統帥権でまとめ、台湾や清、朝鮮への出兵等でまとめていく、それが悲惨な大戦の敗北につながり、今日の日本のみじめな在り方も確実につながっている。なぜ今があるのか、ちゃんと日本人は勉強しなければだめだ。でもそれは政府も教科書も許さない。 ロシアではテレビ局員が「今政府が公表している情報は嘘です、信じないで」とアピールしたが、自由にモノが言えない、国民をだまし続けている現状がある日本はロシアと何ら変わらない。日本政府もプーチンも同じ権力の亡者だ。ともかく「核装備」がしたくてたまらない姿勢は断固として崩れない、馬鹿だな。 でも今回ウクライナのことで、亡命者をわずかながら受け入れ始めた、これは小さいけれど大切な一歩。同じ観点からアフガン、イエメン、ミャンマーなどからの難民を受け入れる法的根拠ができ、支援活動も活発化できる。日本はもっともっと国際救援活動を活性化させるべきだ、人材はいる、そしてさらに大きな人材を育てることができる。そして国民全体の世界の認識能力が上がり、教科書認定なんか早く廃止し、自由で本当に役立つ勉強を子供たちに与え、国民一人一人が大人になるんだ、家族も隣人も仲良くなり、世界とも仲良くなる、よき国に素敵な国にしよう、絶対できる、道は長いけど。

帰農人  2022  3/21 コブシも咲き ヒバリも鳴きだした 

帰農人      2022  3/21
  コブシも咲き ヒバリも鳴きだした   

 この1週間で季節は劇的に変わった、乾燥し、気温が低い「冬枯れ」の状態が長かったが、一気に温度が上がり、雨の日が数度、それも雨量も多い、木々や植物たちは一気に元気になり、除草作業も本格化、今はジャガイモの植え付けに忙しい、明日は3,4人の助っ人が来るので今日はその受け入れ準備。でもまだ糀の注文もあるので中々はかどらない、昨年の今の時期に多く注文が来たので、「3月は嫌だ、教えるから自分で作れ」と色々と指導したがダメ、でも仲間の有機農家のためだ仕方なか。どこも大変なのだ。

 マルチャーという便利な機械がある。畝を立て、ビニールマルチを設置する有難い友だ、12月に大事な2箇所の部品が折れた、農機具屋に発注したが「中々メーカーからの返事がなくて」との後は連絡がない、もう待っていられないので部落の溶接屋の爺さんのところに相談、快く引き受けてくれた。もうかなり歳だし身体も悪く田んぼ仕事も数年前から他の人に頼み、顔も中々見なくなっていたので、頼みに行くのはためらっていたが、ダメもとで尋ねてみたら、意外に元気だった。でも「今年はニンニクがたくさんできそうでさばききれそうもない」と話す。「うちで買い取りますよ」というしかない。溶接の腕は本当に見事で今度も新品同様に仕上がった。だがいつも支払いが大変なのだ、今度の2個の部品は買ってもそれぞれ数万はするので、1万円と餅を持って行ったが、「ダメダメ、そんなに受取れね」と5千円と領収書を渡してきた、いつもそうなのである、安すぎていつも困るのだ。屋号は「かごや」家は宅細工職人から溶接屋になった。とても笑顔を絶やさないとても良い爺さんだ。田畑の開発で回りの部落の人たちは億単位の金が入りみんなだんだん変な顔に変わっていく中、変わらないS爺さんと会えたことに心が一息。

 中東での戦争では、なぜあそこまで街を破壊尽くすのだろうと不思議だったが、ウクライナでも同じだね、ロシア兵の恐怖がそうさせる。ウクライナの全ての男がパルチザン兵として戦っている、たぶん外国からボランティア傭兵が続々来るな、さて。

帰農人 2022  3/13 キティーちゃんと有機農業 

帰農人      2022  3/13
  キティーちゃんと有機農業       

 ひと月ぶりにパソコンが完全復帰。今日またみんなに送信してうまくいったら万々歳、しばらくは送信できなかった時の分も、一週づつ一緒に送ります。 

 今日は冷えるねーなんて言ってたのが1週間前、数日前から突然春が来て、Tシャツ1枚で働いたりする時も出てきた。水槽のフナとドジョウも冬眠から目覚めた。田んぼの荒起こしをしてたら掘り起こされたカエルがカラスに食われてた。そろそろヒバリが鳴きだすかな、ホケキョはちょっと聞いた。畑も田んぼも急に忙しいくなる。なのに仲間の農園が、糀を仕立ててくれと次々に米を持ってくる、困ったものだ

 数日前にこれから飲みに行ってもいいか?、と夢ファームの二人から電話が。家路についてすぐに彼らが来て「行きつけの店にでも」というが「そんなのないよ、家がいい」「それじゃ、酒魚買ってきます」「いいから上がれ、いい酒はそろってるから」。そしてマサに野菜を渡し、おかずを頼んだ。人が飲みに来るなんてなんと久々だろう、何の話かなと思ったら、4月23日に夢ファームの農園で「アースディーの企画をやるから来てくれ」とのお願い。田植えが始まるころで難しいと返事をしたらに「うちのスタッフ(障害者)を好きなだけ手伝いに行かせるから」とのこと。けっこう人が集まると思う、キティーちゃんも呼んだとのこと、いつも見ている「チーバ君」とはちょっとランクが違うぞ、着替え室や冷房設備やら様々要望があり大変らしい、金もかかるだろう。さすが本体はパソナだけにサンリオも動かすのか、まだ詳細は決まってないらしい。キティーちゃんとのツーショットも面白いかも、ハグしたら怒られるかな、なんか来た人達に種をまかせたりするらしい、内容がわかったらお知らせします。

 緑の党から「異常気象と温暖化」について書いてくれと依頼があった。酔っぱらってたので受けてしまったが、異常気象は小さなことは毎年、大きなものは10年に一度など日常茶飯事で、それらに常に備えられるかが農家の腕の見せ所。特に経験豊富な年寄りたちの助言はすごく大切だ、おれも百姓30年。充分そんな年寄りになってきたんでねえの、何とか書いたがきっとボツだな。