百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰農人    2023  2/20  数日前オリオンが南の空にくっきりと輝いていた

     帰農人    2023  2/20
 数日前オリオンが南の空にくっきりと輝いていた

 三日前に昨年仕込んだドブロクを飲み尽くし、まだ樽で熟成中のドブを飲みだした。これが実にうまい、まだ甘さも残り微炭酸でフルーティーシャンパンみたいだ。まだブクブクしていて、表面に米が浮いている。あとひと月ほどかき混ぜれば、かなりの米がアルコールに変わるだろう、もうひと踏ん張りだ。

 2週連続の味噌作りのイベント、先週は東京での講習会、昨日は自宅での味噌の仕込み会、フル回転の糀の仕込みや大量の大豆を煮る仕事は結構ハード。片付けを終えた夕方には疲れ切り、ドブロクを飲みながら、八百屋を始めた20代前半に店のスタッフだった郷(ゴウ)ちゃんのレコードをじっくり聞きこむ。そこには同じ年ごろの青春の寂しさ、あがき、渇望などが凝縮されていて、その自分の自分を少し見つめなおすことができた、生きているかなぁ、神戸の震災の時彼女は神戸にいた。探してみようかしら。

 味噌の仕込み会には昨年研修に来てつい最近農業の勤め先が決まったヤマダ電機37才とキャノン59才が味噌仕込みを体験したく来た。キャノンは青梅にある生活クラブの農園に就職が決まり、退職前からアルバイトをしていて同僚の28才のあすみちゃんを連れてきた。彼女も沖縄の久米島で中学の教師をしてきたりする野性味たっぷりの子だ、ヤマダ電機いすみ市(大原)の町おこし協力隊に見事に選抜され、4月から米作り農家として働き始める。以前小金高校の教師だった手塚さんが真澄屋で働いていたひろ子と一緒になってからの深い仲間であり、いすみ市の学校給食の米を有機に変えたのも彼の活躍だった。米農家になりたいやつがいたら送ってくれと数人紹介したて、今度は決まった。前途有望で多難な3人が昨日顔を合わせ、話しが弾んだみたいだ、なんとも神々しい風景だった。

 そして次の土曜日は葬式だ、親父さんの6人の兄弟はすべてなくなり、おばさんが二人生き残っていたが、我のおばさんが93で亡くなり、松戸の92のおばさんが唯一の長老だが足腰が悪く車いすでの施設生活。娘も数年前に亡くなり孫が家長なので連絡したら、婆ちゃんは葬儀に参加したいと元気満々、輸送やトイレ介護などの問題をいとこたちと話し合い、看護師の麻実の指導も受け何とかなりそうだ。色々と電話しているうちに今日はいとこのみっちゃん親子が糀を買いに来た。葬式は面白いね。