百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰農人    2023 12/3 戦争より除草剤の方がはるかに命を殺している

 
   帰農人    2023 12/3

  戦争より除草剤の方がはるかに命を殺している

 タマネギ差しを初めて十日。毎日3,4時間は、ひたすらマルチにあいたくぎ穴を押し開き、第一関節くらいまで指を突っ込み、苗のけつや根っこを下に押し付けながら、ちょいと土を押し付けてしっかり立たせる。40mの畝に6列3600本、全部で15畝くらい、一日でも早く終わらせて、他の作業に入らねば。年内の仕事はまだ山ほど残っている、毎日必死だ、ありがたいのは毎日暖かく、作業は心地よい。雨や風、寒さなどの中、辛い作業も結構あった。びっくりしたのは、アキと木野ちゃんの作業が早くなったこと。これでおめさんたちも百姓のオッカサンたちの仲間入りだ、ハンコ押すよ。

 タマネギで思いだすのが、今、ハウス撤去をしている畑を借りた初年度。玉ねぎの苗はスギナの大群に襲われ、ひたすら抜いたことを思いだす。スギナは根っこが長く、少しでも切れのこすと、また生えてくる、みっちゃん婆さんは「あれは地獄草っていうだ、地獄の底まで根っこのばすべ」と言ってた。 太陽熱マルチで雑草の種を焼いた畝に種を蒔くようになってから、見事な苗が育つようになり、大きな玉ねぎが沢山とれるようになった。昨年は初めて失敗し、いつもの半分しか取れなかった、原因は不明だ。除草剤を使えば様々な作業はいらなくなるのだが、意地だ。 EUでは先日「グリホサート」の使用を今後10年間禁止にはしない事を議決した。微生物から虫たちを簡単に絶滅される、当然カエルやヘビ、カメに鳥たちは激減する。残念な事実だが、ここ5,6年除草剤は売れまくり、毎年売り上げが3,40%上がり続けている。70年製造開始の特許が切れて、いろんな会社がどんどん作った。安くなったので農家たちもどんどん使うようになった。種を蒔く前に何度も除草剤をまき雑草の数を激減でき、とても効率的な生産ができるようになった。それに変わる命に優しい農法は今はないと、反対の意思を持つ三代農産国のドイツ、フランス、イタリアもしぶしぶ認めた。これじゃ今後10年は世界中で小さな命たちが絶滅されるのを眺め続けなければいけないではないか、何んとか、なんとか