百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰 農 人 2022  2/16 オオタカがよくとんでいるよ

帰 農 人 2022  2/16
     オオタカがよくとんでいるよ

とうとう恐ろしい最終通告がきてしまった。現在営農している真澄農園の田畑の60%を占める地域の開発が本当に決まってしまった。
 田んぼに水を送ったり、水路などを整備する組織を「土地改良区」と呼ぶが、その土地改良区から、この春に「解散総会をする」との手紙が来た。つまりは来年からは水が流れてこない。田んぼの最後の年、昭和の初めに部落の人々で殆ど機械を使わずに土をはぎ取り、土を持ち、きれいに一反(300坪)、200m×50mの四角い田んぼをすべて一枚づつ段差をつけて、水が流れやすく、またはい出しやすく、作り直した苦労のあとの「新川耕地」がどんどんなくなっていき、鳥や虫や魚たちも又、かなしいほど少なくなってきた。
一番厄介なのは、ハウスの移設だ。5m×40mのハウスが7棟、20mが2棟ある。全部自分たちで作ったハウスで、業者に頼むと400万程。新たな資材も集めると400万程かかる。でも鉄パイプもビニールもまだまだ使えるので優しく解体してまた立て直したい。
実際ハウスの半分はいらないハウスを解体して立て直したものだもの。
でもいつも冬の間に1~2棟を建てるのがちょうどいい仕事であった。どう考えてもいっぺんに移設は出来ない。またいつ場所を明け渡さなければならないのかの予定もまだ立ってない。今までこの開発がつぶれますようにと日々祈ってきた。でもダメだった。田んぼは今までも開発のたびに返してきたが、畑を返すのは久しぶりだ。それもすごくいい土になってきたなと感心する畑たちが根こそぎやられる。日々頭に畑のことが重くのしかかり、心は常に下向きだ。仕方ないのだ。潰される田畑だが、いつも通りに生きるものの沢山な命にあふれる野菜や米を育てて、ご苦労様でしたと、見送ろう。
今、農協から後援補助金は出ないのかなと市に申し入れた。どうなるかな?