百姓日記 帰農人

農園の長、アチが書く百姓日記

帰農人    2022  9/04        縁はいなもの味なもの

帰農人    2022  9/04    
   縁はいなもの味なもの

 毎朝3か所の直売所の荷を作る。8月最後の日、今日で最後、夕方には売り場を撤去しなければならないそのうちの一つ入念に沢山野菜を仕込んだ、寂しい作業である。  その昼前に電話がかかってきた。「うちの所で野菜を売りませんか?」とご婦人から。すぐに軽トラを飛ばし、会いに行った。  前の場所から1キロくらいの同じ通り沿い、空き店舗があり、そこをどうぞとのこと、突然夢のような話である。 もう80も半ば、自転車も危ないのでやめたし、日々の野菜はうちの直売所が大変ありがたかった、なくなるというので困っていたという。最後のお礼の代わりの挨拶として「帰農人」3か月分を印刷しておいたところ、それを見たら良き知り合いの名が書かれていてびっくり。旦那さんにもそのことを話し、使ってもらいたいと相なるのである。その知人とは保育園「わらしこ」の創設者である唐沢さんだ。常磐高速道ができるとき、街が分断される、うるさい、地下式にしろと市民活動が盛り上がった、その時からの仲間であるという。 
またその「帰農人」の印刷を思い立ったのは、10年前より自宅前の直売所まではるばる歩いてい買いに来られていたもう一人のご婦人がいる。数年前から自宅近くに直売所ができ、神様のお恵みと喜んで下さった人で、たまに印刷する「帰農人」の愛読者であった。撤去の話があった後、夕方残り野菜を引き取りに行くときに会った。たぶん待っていてくれたのだろう、とても残念である思いを聞き、またうちの子供たちの話などもしてくる、最近は無精して印刷もできていなかったなと強く思い、その夜頑張って印刷した。そしてそれが今回の新直売所設立のもとになった、導かれて、導かれて、拾われた。誠にご縁の力をまざまざと感じた久しぶりの体験であった。

 今日その直売所に野菜を片付けに行くと、婦人に会った。看板が見にくいのでもっと前に出したらと旦那さんが言っていたという。85の彼女は63の俺が彼女の父親に似ていると言い出した、「ヒゲはやして」、「いや、水を汚すとか、農薬とかの害を常に指摘し、新聞にも赤線を引きよく読まされましたとのこと。地球を浄化したい思いの波動はずっとつながってゆく。